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海外債権の実務管理
――コモン・ローとシビル・ローの相違点
栗田哲郎
信用取引を日常的に行うビジネスでは,債権管理を適切に行わなければならないのは言うまでもない。ただし,文化も言葉も法律も違う海外において債権管理を行うことは,日本企業のみならず海外企業にとって常に課題である。本稿では,東南アジアの債権回収を中心に,海外での債権管理の実務を紹介する。
債権管理システム整備とAI審査モデル 尾木研三
近年,信用(デフォルト)リスクを評価するAIが注目されている。技術革新の進展によって,住宅ローンや教育ローンなどの分野では,人手を介さずにAIで融資の判断を行う商品も増えてきた。AI審査モデルと呼ばれるこの技術は,融資した後のデフォルトの予兆管理やデフォルト後の債権回収率の予測など,債権管理システム整備にも応用可能な技術として期待されている。
わが国では,ハードローのほかにも多種多様なソフトローが公表されています。実際に,ある分野について検討する際に,当該分野を規律するハードローに加えて,各省庁そして団体から公表されている複数のソフトローを参照しなければならない機会も多いことでしょう。 そこで,本特集ではソフトローを5つの分野別に総ざらいします。いずれも大変重要なソフトローばかり,まさに「事典」を眺めるようにチェックしてみましょう。
コーポレート・ガバナンス 緑川芳江
日本のコーポレート・ガバナンスは急速に進化を遂げ,海外からの日本企業に対する評価も高まっている。ソフトローによる要請のうち,2021年のコーポレートガバナンス・コード改訂で盛り込まれた点を中心に取り上げ,上場企業の行動に影響を与える議決権行使基準にも触れる。
JILAアワード創設の意義 坂本英之(ジブラルタ生命保険株式会社)
JILAは,組織内弁護士および企業等の法務部門を対象としたアワードを2023年に創設した。本アワードには数多くの企業および組織内弁護士から応募があり,このなかから特に優れた実績を挙げた企業等に賞を授与した。本特集により,受賞者のベストプラクティスを共有したい。
自分が別の会社で通用しなくなるのではという不安 渡部友一郎(Airbnb)
20代のころ,閉じた会社ではなく,会社外で賞を受賞している人が輝いて見えた。本稿では,「自分が別の会社で通用しなくなるのでは」という(私を含めた誰にでも共通する)不安を前提に,私の脆弱性と「30代/10年間の計画」への集中を紹介したい。
「何にでも染まる」が光る場所 星澤みな(バイエルホールディング株式会社)
「芯のない,何にでも染まる」タイプの弁護士でも,「新しいチャレンジを楽しむ心」さえあれば,インハウスとして十分活躍できる。弁護士として一見ネガティブに思える特徴を生かすための,私なりの心構えを記載する。
ReactiveからProactiveな法務へ 田中聡美(日本アイ・ビー・エム株式会社)
このたび,ありがたいことにインハウス賞(紛争解決部門)を受賞した。本稿では,Reactiveな性格の私が,Proactiveな法務に舵を切ることになった背景やその意義を紹介したい。
ビジネスパートナーになるために
――イノベーションの推進と思考の多様性
小泉宏文(株式会社LIXIL)
LIXILは,JILAインハウス・リーガル・アワードにおいて,企業内弁護士の活躍度,イノベーション,ガバナンスおよびリーダーシップの4部門で団体賞をいただいた。当社法務部の取組みが高く評価されたことを非常にうれしく思う。本稿では,誌面の都合上,上記4部門のうち,企業内弁護士(弁護士資格者に限らず法務部員)の活躍とイノベーションに関する当社の取組みを紹介する。