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キャリアアップのための法務リスキリング!
最終回 自分の「看板」を作る!
~転職によるリスキリングの一事例~
遠藤千尋
一目でわかる「看板」を持てれば,事業主であろうと組織人であろうと多くのチャンスがめぐってきます。本稿では,過去の転職経験をもとにリスキリングを通じてどのような「看板」を作ってきたか,一経験をご紹介します。転職回数から私の試行錯誤ぶりがうかがいしれるように思いますので,読み物として皆さまのご参考になれば幸いです。
考える法務――基本と初心とささやかな試み
第5回 しない約束
大島忠尚
「原告及び被告は,本和解の事実及び内容を,みだりに第三者に口外しないことを約束する。」「原告及び被告は,今後,互いに誹謗中傷したり,不利益な言動をしないことを約束する。」 訴訟上の和解では,和解調書に上記のような条項を入れることがあります。違反すれば債務不履行による損害賠償請求がなされる可能性があり,場合によっては和解金・解決金の返還を請求されることもあります。 考えてみると「しない約束(不作為の合意)」には他にもいろいろなものがあります。そこで,本稿ではこの「しない約束」を題材に考えてみたいと思います。
Introduction 宇宙ビジネス
第5回 打上げビジネスと法規制
――さまざまな打上げ手法と手続規制の概要
毛阪大佑・岩下明弘・北村尚弘
人類が盛んに宇宙活動を行う時代になれば,ロケット等の打上げは,産業の基盤となる重要インフラの一種と位置づけられるだろう。本連載第4回では,打上げビジネスに関する契約関係・責任関係に焦点をあてて解説を行ったが,本稿では,さまざまな打上げ手法について事例を用いながら紹介するとともに,それぞれの打上げ手法において問題となる法規制や法的手続の概要を紹介する。
いまでも覚えています あの人の「法務格言」
第5回 「交渉相手を最大限リスペクトせよ」
松村光章
「交渉相手を最大限リスペクトせよ」。これはIBMで敬愛する上司の言葉です。企業間取引は交渉当事者の信頼関係を土台としている。法務時代からわかっていながら,渉外担当となって,ことさらこれを意識するようになりました。
「周辺学」で差がつくM&A
第4回 バリュエーション(企業価値評価)―法務編―
山本晃久・渡邉貴久・近藤慎也
本号では,法務担当者が直面するM&Aにおけるバリュエーションに関する事項の典型的な例として,非上場株式の譲渡における現金を想定した譲渡価額の調整メカニズムと,上場株式の「公正な価格」の意義について,前号・前々号で学んだバリュエーション理論との関係も意識しながら解説する。
「データ契約」取扱いに際する法務担当者の心構え
――求められる役割と生成AIとの関連性
中崎 尚
今日,事業分野を問わず,ビジネスにおいてデータの取扱いは必須である。他方,契約におけるデータの取扱いは,まだまだ社内で十分に理解されていないことも多い。その結果,法務担当者は,社内では事業担当者とゼロからのコミュニケーションを,社外では相手方担当者とのタフなネゴシエーションを迫られる場面もめずらしくない。本稿では,かかるリスクの最小化に向けた法務担当者の心構えを,生成AIとの関連を交えて紹介する。
「AI・データ契約ガイドライン(データ編)」の要点と営業秘密・限定提供データによる保護 影島広泰
「AI・データの利用に関する契約ガイドライン(データ編)」は,データの利用,加工,譲渡その他取扱いに関する契約を「データ契約」と呼び,これに関する法的な論点を整理したうえで,契約条項の例を提示している。また,データ契約を①データ提供型,②データ創出型,③データ共用型(プラットフォーム型)の3つの類型に分けて,分析・解説を行っている。データ契約の作成・レビューの際に参照すべき重要なガイドラインといえる。
データ関連契約に関しては,「データ提供型」「データ創出型」の区分が議論されることもあるが,法的には大きな違いはない。むしろ,対象データの特定,取得,使用および提供等の観点からの契約条件の整理・検討がより重要である。その際には,いわゆるライセンス契約と異なり,データの使用禁止条件の設定がデータ関連契約の要点であることを十分に意識することが有益である。