2024年12月号
2024年10月21日発売号 1,800 円(税込)
法務部における人事評価の意義
大槻智行
⼈事評価制度を活⽤して法務部の⽣産性を向上させることで,法務部の評価は上がり,存在感が増す。優秀な⼈材が社内外から集まり,競争⼒を得て,事業活動に貢献できるようになる。有効な⼈事評価は,法務部と法務部員の価値の創造に役⽴てることができる。
人材エージェントからみた
法務人材評価の現状とあるべき形
松本宣幸
当社は法務領域に専門特化した人材エージェントとして,これまで多数の取引先企業の法務部門の方々,および転職希望の法務部員の方々とコミュニケーションをとってきた実績を有している。本稿では,人材エージェントとしての立場から得てきたさまざまな情報を,テーマに沿って読者の皆さまにお伝えできればと思う。
外部弁護士からみた
法務人材に求められるスキルセット
三谷革司
法務部門の果たす役割が増すなかで,法務人材はどのような能力・特質を備えるべきか。外部弁護士の立場から,外部弁護士と協働する場面において「できる」法務人材と考えるポイントを示すとともに,それぞれのステージにおける優れた法務人材の能力や特質について解説する。
一人法務のための評価サバイバル術
片岡玄一
法務部門は,期首にゴールを設定し,それを達成することによって評価を得るといった動きをしづらい部門であり,そもそもその機能が発揮している効果の測定が難しいことから,評価が難しい職種の1つであるといわれることが多い。加えて,一人法務においては,評価者である上長が法務出身者ではなく,法務に関する評価軸を持っていないことも少なくない。本稿では,一人法務の方を対象に,このようなハードルを乗り越え,適切な評価を獲得するためのヒントの提供を試みる。
座談会 評価項目のアイデアとヒント
橋詰卓司(司会)・青谷賢一郎・白石弘美・瀧川英雄・ 守田達也・吉田成希
法務部門を正しく評価するためには,定量的な評価だけが適切とは限りません。評価方法には多様なアプローチがあり,組織や業務内容に応じた工夫が必要です。本座談会では,創意工夫に富んだ法務のプロフェッショナルに,実際に採用している評価基準やユニークなアイデアを共有していただきました。38~39頁には,評価項目のアイデアをまとめた表を掲載していますので,ぜひ自社の評価制度構築にお役立てください。
(登壇者)橋詰卓司(司会/弁護士ドットコム株式会社 経営戦略本部)・青谷賢一郎(株式会社ニトリホールディングス 上席執行役員)・白石弘美(株式会社日本HP 取締役 法務・コンプライアンス本部長)・瀧川英雄(ミスミグループ本社 執行役員)・ 守田達也(双日株式会社 常務執行役員)・吉田成希(株式会社マネーフォワード 法務知的財産本部)
~トピック~
・法務における評価の難しさ
・回答率から定量化する
・目標設定と評価のバランス
・360度評価の運用
・リモート勤務と評価
・評価と育成の両輪
・教育係としての評価
・評価項目のアイデアシート
加藤雅俊
スタートアップ企業は,経済の「起爆剤」であると信じられている。起業家による「サクセス・ストーリー」は人々を魅了する。「ユニコーン創出」が合言葉だ。スタートアップ界の大谷翔平の出現は実に夢がある。
石井あやか
2023年度の日本音楽著作権協会(JASRAC)による使用料徴収額は約1,372億円で,過去最高額を記録した。徴収額の内訳をみると,最も大きい割合を占めるのがインタラクティブ配信によるものである。2023年度のインタラクティブ配信によるJASRACの徴収額は,音楽サブスクリプションや動画配信等の好調もあり,487億円を超え,過去5年で倍増した。もっとも,日本レコード協会の公表によれば,CDなどの音楽ソフトの生産額は,配信の売上額を上回る規模を維持している。全体における音楽ソフトの売上割合の大きさは,日本の音楽市場の特徴といえる。
中村信男
株式会社の業務の執行における法令等の遵守確保は,子会社も含め,当該株式会社の取締役・執行役の善管注意義務・法令等遵守義務の要請である。それでは,法令等の違反が具体化した場合,これに直面した取締役等は,善管注意義務の観点から,いかなる善後措置を講じる必要があるか。本稿は,この問題の検討にとって参考になる最近の裁判例をケースとして取り上げ,不祥事発生後の取締役等の事後対応(有事対応)のあり方を探る。
非公開化取引の概況
内田修平
本稿では,本特集の導入として,非公開化取引の概況を解説する。公開買付けとスクイーズ・アウトの二段階取引による非公開化取引を中心に,件数の増加や公正性担保措置の実務の進展といった近時の動きを概観したうえで,入札手続の実施事例の増加,および,それをふまえた今後の取引保護条項のあり方について,若干の私見を述べる。
PEファンドによる非公開化取引の実務
廣田雅亮
PEファンドによる非公開化取引に関しては,買収SPCの利用,外為法,買収ファイナンスの利用によるレンダーとの間の調整等,国内の事業会社による一般的な非公開化取引とは異なる側面が多数あり,また,法実務の観点からも特有の論点も多い。そこで,本稿においては,PEファンドによる非公開化取引の法律上・実務上の留意点について考察する。
非公開化取引における公正性担保措置・対抗提案
越智晋平
非公開化取引を行おうとする当事者が向き合う重要なリスクとして,裁判リスクと対抗提案リスクがあるが,いずれも近時,重要な展開をみせている。そこで,本稿では,公正性担保措置(特に特別委員会,マーケット・チェック,マジョリティ・オブ・マイノリティ条件)と対抗提案について取り上げ,近時の動向や実務上の論点について論じる。
非公開化と株主アクティビズム
金村公樹
ちまたではアクティビストが隆盛を誇り,非公開化取引を含むM&Aもすべからくアクティビズムの対象となっている。本稿では,M&Aアクティビズムの意義や種類,その功罪を明らかにするとともに,非公開化取引に関連してアクティビズムが行われた近時の事例を取り上げつつ,アクティビズムへの対応という観点から実務上留意すべき点について述べる。
スクイーズ・アウトに係る株式買取請求・価格決定事件の動向
朽網友章
本稿では,スクイーズ・アウトによる非公開化に係る反対株主からの株式買取請求および価格決定事件について取り上げる。価格決定事件については平成28(2016)年の最高裁決定が重要な規範を示したが,その後も,非公開化に際して取引条件(価格)に不満がある株主から株式買取請求や価格決定の申立てが行われるケースは引き続き多くみられるところである。そこで,上記最高裁決定後の裁判例もふまえつつ,その動向について概観する。
はじめに――特許権侵害対応とは
辛川力太・高岸 亘
知的財産制度とは,知的創造活動によって生み出された発明,著作物やトレードマークなどを財産として保護するための制度である。
「侵害予防調査」実施の要点
猪狩俊博・藤 拓也・辛川力太
はじめに,「守り」の観点として,侵害予防調査について説明する。調査体制の例や,具体的な調査範囲の確定等,実務的な進め方について踏み込んだ解説を行う。最後に海外(特に米国)が関係する際の留意点にも触れる。
特許権者による権利行使と非権利者の対応
梶並彰一郎・高岸 亘・藤 拓也
攻めの観点から,特許権者が権利行使をする際に検討すべきポイントを整理したうえで,権利行使の最初のステップとして最も典型的な警告書を送付する際の留意点を確認するとともに,守りの観点から警告書を受領した際の留意点を確認する。
紛争手続における留意点
梶並彰一郎・高岸 亘・藤 拓也
紛争手続として,どのような手続があり,一般的にどのように進行していくのかを概観する。そして,充足論・無効論における検討事項について触れたうえで,損害論における検討事項について整理する。
阿久津 透
令和2年に改正された個人情報保護法が,現在あらためて改正に向けた議論がされている。本稿では,本年6月に個人情報保護委員会から公表された「個人情報保護法 いわゆる3年ごと見直しに係る検討の中間整理」のポイントの解説を通じて,どのような方向で改正が進んでいく見込みなのかを整理していく。
人権DDのよくある誤解と取組みのポイント
塚田智宏・平田亜佳音
日本政府が2022年9月にガイドラインを策定して以降,「ビジネスと人権」に関する企業の取組みはますます活発になっている。EUで発効したCSDDDはその流れを決定づける。本稿では,まさに今取組みを本格化させている場面でよくある誤解や疑問への考え方を解説することで,企業の取組みを後押ししたい。
プライバシーテックの法的論点(上)
――主要技術の概要,秘密計算の仕組み
宇根駿人・上村俊介・竹之内隆夫・板倉陽一郎・渡邊涼介
プライバシーを保護する技術であるプライバシーテックが国内でも注目を集め始めているが,個人情報保護法上の位置づけを検討するにあたっては悩ましい部分も存在する。そこで,本解説(全3回)では,プライバシーテックの各技術を紹介するとともに,プライバシーテックの個人情報保護法上の(現時点における)位置づけを整理することとした。第1回となる本稿では,プライバシーテックの主要な技術の概要と秘密計算について説明する。
コーポレート領域における個人情報の保護
――M&A,株主情報の取扱いを中心に(下)
田浦 一
本稿は,コーポレート領域における個人情報に関する問題についての解説の下編であり,株主対応の場面において生じる個人情報の保護に関連する留意事項について,概観する。
森・濱田松本法律事務所編
2024年9月・10月の法務ニュースを掲載。
■ 経産省,GX推進機構による金融支援の基準を公表
■ 東京高裁,総則6項をめぐる裁判で国側敗訴判決
■ 特許庁,「平成30年改正法対応・発明の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための出願人の手引き」および「平成30年改正法対応・発明の新規性喪失の例外規定についてのQ&A集」の改訂版を公表
■ 中小企業庁,「中小M&Aガイドライン」を改訂
■ 東証,「『資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応』に関する今後の施策について」を公表
■ 金融庁,「2024事務年度金融行政方針」を公表
■ 金融庁,金融機関におけるM&A促進についての要請を発出
■ TCFDコンソーシアム,「移行計画ガイドブック」を公表
■ 新たな「水循環基本計画」を閣議決定
■ 金融庁,暗号資産交換業者等による暗号資産等の売買等の媒介の範囲およびその該当性の明確化
■ 経済産業省,技術管理強化のための官民対話スキーム構築に関する省令・告示案を公表
■ 総務省,「デジタル空間における情報流通の健全性確保の在り方に関する検討会とりまとめ」および意見募集の結果を公表
■ 証券取引等監視委員会,「令和5事務年度 開示検査事例集」を公表
■ 総務省,「競争ルールの検証に関する報告書2024」を公表
■ 公取委,フードサプライチェーンにおける商慣行に関する実態調査を開始
■ 金融庁,PTS規制の緩和等に関する「令和6年金融商品取引法等改正に係る政令・内閣府令案等」を公表
■ 東京都,カスタマーハラスメント防止条例案を東京都議会に提出
ほか
最新判例アンテナ
第77回 訪問指導等の業務につき「労働時間を算定し難いとき」(労働基準法38条の2第1項)に当たらず事業場外みなし制の適用を否定した原審の判断に違法があるとされた事例(最判令6.4.16労判1309号5頁)
三笘 裕・光明大地
外国人技能実習生の監理団体Yに指導員として雇用され,技能実習生に対する訪問指導等の業務に従事していたXは,かかる業務に関して,訪問の予約を行うなどして自ら具体的なスケジュールを管理し,所定の休憩時間とは異なる時間に休憩をとったり,自らの判断で直行直帰したりすることもできた。タイムカードによる労働時間管理は受けておらず,毎月末に就業日ごとの始業時刻,終業時刻および休憩時間のほか,訪問先,訪問時刻および業務内容の概要等を記入した業務日報をYに提出し,その確認を受けていた。
労務コンプライアンス最前線――働き方改革2.0に向けて
第5回 未払残業代問題――労働時間管理・固定残業代等
中村仁恒
残業代の適正な処理は労務分野でも特に重要な課題である。残業代が未払いとなっている場合,個々の労働者(退職者を含む)から訴訟等によって残業代を請求されるリスクがあるだけでなく,労基署からの指導・是正勧告がなされる場合もあり,そうなれば多数の労働者に対して一斉に未払残業代を支払わねばならない事態となり,財務状態を著しく悪化させることになる。また,未払残業代が存在する場合,上場審査やM&Aの場面でも重大な支障となることがままある。
そこで,本稿では,未払残業代が発生しないようにするための制度設計・運用面に関する基本的な問題を紹介しつつ,近時の重要判例を中心に,実務上の留意点を解説する。
スタートアップのための社内規程整備マニュアル
第2回 機関・組織に関する規程
山田裕介・牛丸瑛理香・緒方文彦
本連載では,全6回にわたり,スタートアップのための社内規程整備について,具体的な条項例を交えつつ解説を行う。第2回では,会社の機関や組織に関する規程について,スタートアップにおける社内規程整備の観点から,策定のポイントを概略する。
なお,第2回以降は,「中央経済社Digital」(https://digital.chuokeizai.co.jp/m/m40b0b99e37f0)において参照規程を掲載する。
マンガで事例紹介!
フリーランスにまつわる法律トラブル
第3話 フリーランスと報酬未払い
宇根駿人・田島佑規・ CS合同会社
受注者としては,まずは発注時における報酬の支払期日の定めを確認しましょう。発注者は,フリーランスに対し業務委託をする場合,直ちに書面または電磁的方法で報酬の支払期日を含めた取引条件を明示する必要があり,フリーランス新法が遵守されているのであれば,支払期日の定めがあるはずです。
「株式法務」最新Q&A――株主総会,コーポレート・ガバナンスの現場対応
第7回 株主名簿閲覧謄写請求への対応
飯塚 元・西口阿里沙
Q 当社は東京証券取引所に上場している。アクティビストより当社の株式を保有している旨および当社の株主名簿の閲覧謄写請求を行いたい旨の連絡を受けた。当社としてはどのように対応するべきか。
法務担当者のための金商法"有事対応"の手引き
第2回 インサイダー取引規制対応⑵
矢田 悠
本連載第1回では,インサイダー取引規制の基本事項について確認した。これをふまえて,第2回と第3回では,企業の"有事対応"として,上場会社が証券取引等監視委員会(以下「監視委」という)から立入検査を受けた場面や,自社内でインサイダー取引の疑いのある事案が発覚した場面(第3回を予定)を想定し,企業がとるべき対応や留意点について解説する。
いまでも覚えています あの人の「法務格言」
第14回 「友達になる必要はないんですよ」
山田裕香
この言葉は,私が過去に社内弁護士として勤務していた会社で,当時の上司から言われた言葉です。私は英語が好きで得意としていたため,グローバルな組織で働くことが多く,その会社でも必然的に外国人や元帰国子女の日本人とコミュニケーションを交わすことが多かったです。
失敗事例から学ぶ「ナレッジ・マネジメント」
第5回 法律相談
髙澤和也
本連載では,架空の「ナレマネリーガル株式会社の法務部門」の事例をもとに,ナレッジ・マネジメントの失敗の背景に迫っていく。連載第4回目の本稿では,以下の2つの【Case】を通じて,法律相談に関するナレッジ・マネジメントの失敗と解決策を取り上げる。
ライアン・ゴールドスティンの"勝てる"交渉術
第9回 交渉の場には一枚岩で臨む
ライアン・ゴールドスティン
アメリカ映画『ゴッドファーザー』(1972,アカデミー賞3部門受賞)に教訓に満ちたシーンがある。ソロッツォという国際的な麻薬マフィアが,ドン・コルレオーネとの取引を持ちかけてきた場面である。コルレオーネ一家は一切麻薬には手を出してこなかった。むろん,ソロッツォの提案にドンは"NO"という。しかし,アメリカ映画『ゴッドファーザー』(1972,アカデミー賞3部門受賞)に教訓に満ちたシーンがある。ソロッツォという国際的な麻薬マフィアが,ドン・コルレオーネとの取引を持ちかけてきた場面である。コルレオーネ一家は一切麻薬には手を出してこなかった。むろん,ソロッツォの提案にドンは"NO"という。しかし,ソロッツォは可能性をつなごうと提示した条件に長男のソニーが反応した。「麻薬は将来を支配する。今始めなければいずれわれわれの存亡にかかわる」と考えたからだ。危険を感じたドンは,すぐにソニーを制して交渉を打ち切り,ソロッツォが去った後に叱りつけた。一枚岩ではないことを悟られると命取りになるからだ。しかし,時すでに遅し。ソニーは乗り気だと察知したソロッツォはドンを銃撃。これを皮切りに血で血を洗う残忍な抗争が勃発する。そして,抗争の陣頭指揮をとったソニーは機関銃で蜂の巣にされて息絶えるのである。今回は,交渉の場に一枚岩で臨むことの重要性について考える。ソロッツォは可能性をつなごうと提示した条件に長男のソニーが反応した。「麻薬は将来を支配する。今始めなければいずれわれわれの存亡にかかわる」と考えたからだ。危険を感じたドンは,すぐにソニーを制して交渉を打ち切り,ソロッツォが去った後に叱りつけた。一枚岩ではないことを悟られると命取りになるからだ。しかし,時すでに遅し。ソニーは乗り気だと察知したソロッツォはドンを銃撃。これを皮切りに血で血を洗う残忍な抗争が勃発する。そして,抗争の陣頭指揮をとったソニーは機関銃で蜂の巣にされて息絶えるのである。
今回は,交渉の場に一枚岩で臨むことの重要性について考える。
いま知りたい! 食品業界の法律
第3回 外食産業の事業運営に必要な法律知識
渡辺大祐・岡本健太・櫻井 駿
食のスタイルは,自宅で食材を調理して食べる「内食」と,飲食店等で調理・製造されたものを食べる「外食」や「中食」に大別される。本稿では,食生活において重要な地位を占める「外食」や「中食」に係る飲食サービスの提供を外食産業ととらえ,その事業運営に関する規制を概説するとともに,特有の法的トラブルについて触れることとする。
悔しさを糧に――学べば開ける☆
第9話 自信をもって挑んだファミコン大会。本番で手震える......。
木山泰嗣
8月に,実家に行きました。ミスドで,母用にオールドファッションのプレーンとチョコを,父用にダブルチョコとゴールデンチョコをトレーに入れると,自分にも2つのドーナツを選びました。家に着くと,母が「このパスタは,Kが家にいたころ以来かな」(Kは妹です)と,ナスとツナのパスタをゆでてくれました。パスタ好きのわたしは大満足だったのですが,偏食の父は(第1話参照),「俺はツナが好きじゃない」と残しました。「あなたいつもはツナ食べてるじゃない」と母から突っ込まれると,「食べてるけど,スパゲティにはあわない」と持論を述べ,「飲むか」とコーヒーをいれてくれました。もちろんそのあと,全員の好みにあうドーナツを,食後に3人で2つずつ食べました。このリビングでのお話です。
ストーリーでわかる 国際仲裁の基本
第6回 国際仲裁における和解
伊藤 遼・魚住 遼
日本の化学品メーカーである甲社は,米国の化学品メーカーである乙社から,乙社の日本子会社であった丙社の発行済株式すべてを譲り受けた。しかし,株式譲渡実行後,丙社の工場敷地内に特定有害物質が含まれていること(以下「本環境汚染」という)が判明したため,2024年4月,甲社は,日本商事仲裁協会(JCAA)に対して,乙社を相手方とし,表明保証違反を理由とする補償請求を申し立てた。
主張書面のやりとりを経て,ヒアリングにおいて事実証人および専門家証人に対する証人尋問が実施された。
事業展開×知財×法務
第5回 特許権侵害への対応における
笹本 摂・佐藤武史・今 智司
自社事業においてさまざまな発明が創出され,それらの発明について特許を取得しておけば,第三者が自社の特許を侵害した場合に権利行使できることが原則である。しかし,侵害対応にはさまざまな留意点があり,それらを見落とすと特許権自体に問題がなくても侵害対応がうまくいかないことがある。第5回では,権利行使を検討する場合に法務担当者が念頭に置くべき点について解説する。