雑誌詳細

business202404.jpg

2024年4月号

2024年2月21日発売号   1,800 円(税込)

特集1

苦手意識を克服!
独禁法・競争法の最重要テーマ20

特集2

2023重要判例まとめ・前編
(会社法・金商法編)

特別企画

ウクライナで事業を始めよう!

特集1
苦手意識を克服!
独禁法・競争法の最重要テーマ20
今日の実務上では,ステマ規制をはじめ,インボイス制度の導入,フリーランス新法の成立,さらにはグリーン社会の実現に向けた動きなど,いわゆる競争法をめぐる論点が注目されています。税務,労務にまで及んでいるように,競争法の対象範囲はきわめて広いことが特徴です。
本特集は,独禁法に加え,不競法,景表法,下請法といった競争法分野を一挙に整理しています。論点が多く複雑ですが,最新動向をふまえ基礎から丁寧に学びましょう。
競争法・独禁法

独禁法・競争法界隈の最近の動向と展望
小川聖史

【Q1】 ここ数年,独禁法・競争法に関するさまざまな報道に接することが多い印象があるが,どのような動向・傾向がみられるか。また,その対応と今後の展望を概観したい。

競争法・独禁法

公取委の組織体制
山田 弘

【Q2】 公取委の組織体制はどのようになっているのか。また,最近の特徴としてどのようなことがいえるか。

競争法・独禁法

公取委の違反事件審査に関する傾向
山田 弘

【Q3】 最近における公取委の違反事件審査の傾向には,どのような特徴があるか。

競争法・独禁法

公取委の法執行に関する実務上の留意点
山田 弘

【Q4】 立入検査をはじめとする違反事件審査に係る公取委の法執行に関し実務上留意すべき点としては,どのようなものがあるか。

競争法・独禁法 税務

価格転嫁拒否対策および消費税インボイス制度
井本吉俊

【Q5】 公取委がサプライヤーとの価格交渉やインボイス対応につき書面アンケートを送ってきているが,転嫁拒否行為やインボイス制度対応の注意点を教えてほしい。

競争法・独禁法

公取委のアドボカシー活動への対応
服部 薫

【Q6】 公取委の提唱するアドボカシー活動とは何か。事業者・事業者団体の活動にどのような影響があるのか。

競争法・独禁法

デジタル分野におけるプラットフォーム規制
小川聖史

【Q7】 ここ数年,デジタルプラットフォームに対する規制や執行など,デジタル分野におけるさまざまな動向が注目されている。その概要はどのようなものか。

競争法・独禁法

取引先事業者と独禁法(優越的地位の濫用)
一色 毅

【Q8】 公取委における優越的地位の濫用規制をめぐる最近の動向はどのようなものか。

競争法・独禁法 税務

取引先事業者と独禁法(再販売価格の拘束)
一色 毅

【Q9】 近年,家電メーカーがいわゆる指定価格制度を導入したとの報道があるが,これは再販売価格の拘束に該当しないのか。

競争法・独禁法 サステナビリティ・人権

グリーン社会と独禁法・景表法
田中亮平

【Q10】 それぞれ何が問題で,どのような議論がなされているのか。

競争法・独禁法

競争者との業務提携
田中亮平

【Q11】 競争者との業務提携が認められるのは,どのような場合か。

競争法・独禁法 争訟・紛争解決

独禁法に関連する企業訴訟の類型と動向
柳澤宏輝

【Q12】 企業が当事者となる独禁法に関連する訴訟にはどのような類型があるか。また,法務担当者として留意しておくべき近時の訴訟の傾向はあるか。

競争法・独禁法

企業結合規制
伊藤伸明

【Q13】 企業結合規制とは何か。企業結合を検討する際にはどのような点に留意すべきか。

競争法・独禁法

企業結合審査の強化
伊藤伸明

【Q14】 最近は企業結合審査が強化されたと聞くが,どのような点が強化されたのか。海外でも同様の傾向があるのか。

競争法・独禁法

ガン・ジャンピング
伊藤伸明

【Q15】 ガン・ジャンピングとは何か。ガン・ジャンピング規制に違反しないために,どのような点に留意すればよいのか。

労働法 競争法・独禁法

フリーランス新法
一色 毅

【Q16】 フリーランス新法における取引の適正化に係る規定の概要と,公取委における新法の施行に向けた検討状況はどのようなものか。

競争法・独禁法 国際

海外贈賄規制の概要と動向
鹿 はせる

【Q17】 海外で行われる贈賄行為について日本で処罰されるのはどのような場合か。日本法以外にも留意すべき外国法令はあるか。

競争法・独禁法

営業秘密の持出し
鹿 はせる

【Q18】 近年よく営業秘密の持出しが報道されており,頻繁に法改正もされているようであるが,規制の概要はどのようなものか。日本法のほかに,留意すべき外国法令はないか。

競争法・独禁法

ステマ規制への対応
森 大樹

【Q19】 景品表示法においてステマに関する規制が導入されたが,インフルエンサーや当社従業員によるSNSを利用した情報発信について規制を設ける必要があるか。

競争法・独禁法 知財

知財ライセンスにおける制限と競争法
山口敦史

【Q20】 自社の事業領域への悪影響が生じないよう,一定の制約を課しつつ知的財産権のライセンス・アウトを行いたい。独禁法との関係で,どのような点を考慮してライセンスの枠組みを検討・設定すべきか。

地平線
報道記者と組織人の対話で企業不正の摘除を
コンプライアンス

奥山俊宏

バブル崩壊に伴って顕在化した経済事件を追いかける社会部の事件記者として,あるいは,内部告発などを端緒に企業不正を深掘りする調査報道記者として,私は,さまざまな企業人とおつきあいする機会に恵まれた。

特集2
2023重要判例まとめ・前編
(会社法・金商法編)
日々,各地の裁判所で多くの判決・決定が示されているところ,そのなかには企業活動において大きな影響を与えるものが少なくありません。しかし,それらをすべからく把握したうえで重要性を判断することは至難の業です。
そこで,今年は2号にわたって,2023年に出された特に重要な判例の総まとめを行います。前編となる今回は,会社法・金商法にかかわるものを10本まとめました。特に押さえておくべき判例について「見落とし」がないか総チェック!
会社法 金商法・資金決済法

引当金の計上に関する違法な会計処理によって会社が被った損害(課徴金,上場契約違約金等)について執行役等が賠償責任を負うとされた事例(東京地判令5.3.28資料版商事473号87 頁,金判1679号2頁)
菅原滉平

株式会社東芝(以下「東芝」という)および同社株主が,執行役等に対し,違法な会計処理によって生じた損害について会社法423条1項にもとづき損害賠償を請求した。会計処理の違法が主張された案件は,⑴インフラ案件(損失引当金の過小計上),⑵バイセル案件(利益の過大計上)および⑶キャリーオーバー案件(利益の過大計上,損失引当金の過小計上)の3つから成る。

会社法 金商法・資金決済法

譲渡制限株式の売買価格決定において,非流動性ディスカウントが認められた事例(最三小決令5.5.24裁判所ウェブサイト参照)
吉田 新

相手方X1およびX2は,株式の譲渡につき取締役会の承認を要する旨の定款の定めがある会社である。

会社法 金商法・資金決済法

二段階取引における株式買取請求に係る「公正な価格」(東京地決令5.3.23資料版商事470号130頁)
清野訟一・栗原歩夢

本事案は,I社が行った子会社F社の少数株主のキャッシュアウト,具体的には,I社の子会社を公開買付者とするF社株式の公開買付け(以下「本公開買付け」という)とこれに続く株式併合によるF社少数株主のキャッシュアウト(以下,一連の手続を「本取引」という)について,本公開買付けが一般に公正と認められる手続により行われたか否かが争われた事案である。

会社法 金商法・資金決済法

株式総数引受契約締結後に当該契約の引受人に対する募集株式の発行を撤回する取締役会決議が有効であると判断された事例(東京高判令5.3.9〔Westlaw Japan 文献番号 2023WLJPCA03096001〕)
高谷裕介・宇田 聖

株式会社Y(被告・被控訴人)は建物総合管理等を目的とする取締役会設置会社であり,民事再生手続の開始決定を受けている。Y社は,2021年6月23日,監督委員の同意を得て,X株式会社(支援企業)との間でスポンサー契約(以下「本件スポンサー契約」という)を締結した。本件スポンサー契約では,Y社の再生計画に関し,Y社は,裁判所の許可を得た再生計画案の認可決定確定後,速やかに100%減資のうえ,発行価額4,000万円の募集株式の発行を行い,新たに発行する株式のすべてをX社に割り当て,X社はこれを引き受けることなどが定められていた(そのため,本件スポンサー契約は会社法205条1項の総数引受契約である)。同年11月25日,上記再生計画の認可決定が確定した。

会社法 金商法・資金決済法

株主が誰かを認定するにあたり,対外的な株主の表示や身分関係等の変化等を総合考慮して判断した事例(大阪高判令5.4.27〔D1-Law.com 28311184〕)
熊谷真喜・小栗麻由

Y社(原告・控訴人)は,Aが設立した株式会社であり,当初はAが代表者を務めていたが,Aは,1999年1月23日にY社の取締役および代表取締役を辞任し,同日,Aの二女の配偶者であるBが,Y社の取締役および代表取締役に就任した。

会社法 金商法・資金決済法

デッド・ロック状態に陥った株式会社において会社法833 条1項にもとづく解散請求が認められた事例(東京高判令5.3.9金判1674号28頁)
江口真理恵

本件は,Y株式会社の株主である株式会社Xが,会社法833条1項所定の事由があるとして,Yの解散を求めた事案である。

会社法 金商法・資金決済法

上場会社の株式の短期大量取得に関連し,上場会社が公開した質問状において言及された特定の個人の前科等を含む報道内容への言及について,名誉棄損およびプライバシー侵害による損害賠償請求が否定された事例(東京地判令5.7.7資料版商事474号82頁)
川村一博

被告である株式会社ナガホリは,東京証券取引所スタンダード市場(2022年時点では東証2部市場)に上場する上場会社である。被告は,2022年4月15日付で変更報告者を提出した株主2社が実質的に共同して被告株式の買付けを行っている可能性が否定できないとして,そのうちの1社であるリ・ジェネレーション株式会社(以下「リ社」という)に対して複数の質問状を送付するとともに,その内容を被告ウェブサイト上で開示した。

会社法 金商法・資金決済法

株式取得に関する仲介業者の不法行為責任が認められた事例(東京地判令5.4.17金判1673号42頁)
奥苑直飛

本件は,X社(原告)が,A社の一人株主兼代表取締役であるBからA社の株式全部(以下「本件株式」という)を取得するにあたり,株式取得の仲介を委託したY社(被告)に対し,自らがY社から提供された誤った情報にもとづいて株式譲渡契約を締結したために,事後的に同契約を錯誤取消しすることになったとして,不法行為にもとづき,損害賠償を求めた事案である。

会社法 金商法・資金決済法

会社の執行役員に対して訴訟提起しようとした従業員に対し,服務規律違反の可能性を指摘して当該訴訟内容について回答するよう求めた人事担当者の行為について不法行為の成立が認められた事例(東京地判令5.4.10金判1676号22頁)
西岡祐介

本件は,インターネット銀行を業とする株式会社Y1のコンプライアンス統括部次長であったXが,同部部長,総務人事部長,執行役員らおよび法人であるY1ら10名に対して,被告らの行為がXに対する不法行為を構成するなどとして1,100万円の支払いなどを求めて提訴した事案である。

会社法 金商法・資金決済法

性同一性障害である職員に対するトイレ使用制限等が違法とされた事例(最三小判令5.7.11裁時1819号1頁)
村松頼信

医師から性同一性障害の診断を受け,戸籍上は男性である国家公務員Xが,職場の女性トイレの使用等を要望したのに対し,経産省は,所属部署の職員に対する説明会(以下「本件説明会」という)においてXの執務階の女性トイレの使用につき数名の女性職員がその態度から違和感を抱いているようにみえたこと等をふまえ,執務階とその上下の階の女性トイレの使用を認めない旨の処遇(以下「本件処遇」という)等を実施することとした。Xは,国家公務員法86条にもとづいて女性職員と同等の処遇を行う行政措置を要求したが,人事院はそれを認めない判定(以下「本件判定」という)をしたため,Xは本件判定の取消しと国家賠償を求めて訴えを提起した。

特別企画
ウクライナで事業を始めよう!
日本は,ウクライナ支援で,その豊富な復興の経験から復興支援を中心に重要な役割が期待されている。ウクライナ政府も,EU加入に向けた市場ルール・規制環境の整備や電子公共サービスの導入など,先進の制度を積極的に導入し,外国投資の拡大を促進する条件整備を進めている。
読者には,ぜひウクライナでビジネスを進めてほしいが,まずは,この特集がウクライナでのビジネス環境の概要の理解に役立つことを祈念する。

【章構成】
・投資環境と投資政策
・税制と紛争解決制度の概観
・法人事業(Корпоративний бізнес)
・個人事業・就労
Trend Eye
日本版eシールの展望
テクノロジー・AI

宮内 宏

電子取引が広く用いられるようになり,押印の代わりに電子署名が使われるケースも多くなっている。こうしたなかで,最近,「eシール」という仕組みが使われ始めている。電子署名は個人(自然人)の名義であるのに対して,eシールは組織名(法人名,企業名,組織名等)の名義であるところが異なる。また,電子署名は,電子署名法により法的に位置づけられているのに対し,eシールについては,法的な構成を検討している段階であり,今後の展開が注目されている。

Lawの論点
「フェアユース」と生成AIをめぐる著作権法制度の検討
知財 テクノロジー・AI

潮海久雄

生成AIの目的・実態,法体系等から解釈に疑義があるものの,文化庁は,著作権法30条の4につき,機械学習の入力を原則認め,出力を通常と同様に判断するとした。もっともフェアユースと差が明らかになっている(市場拡大,出力過多への対応,責任主体,リスク軽減措置)。

企業法務総合

「ビジネス法務学」総論と物流のビジネス法務学
潮海久雄

急激な変革の時代に,ビジネス法務を「学」として確立させて,後追いになる法律を待たず,当事者の創意工夫を新しい「契約」によってつないで,課題に対処する。そこにはCSR,SDGsなどが必須の考慮要素として組み込まれる。筆者のその「ビジネス法務学」を実践する一例として,2024年問題に揺れる物流の世界を展望し,新視点を提示する。

実務解説
内部者による企業情報の持出しに関する最新実務対応
競争法・独禁法 テクノロジー・AI

山岡裕明・町田 力・星野悠樹

転職に伴った従業員による企業情報の持出しに関する責任追及が相次いでいるが,その背景には,企業情報のデジタル化とそれに伴う情報セキュリティ対策の普及があると思われる。内部者による企業情報の持出し対策として,関連する法規制を理解するとともに,セキュリティ機能を活用することが有用である。

企業法務総合

「中小M&Aガイドライン」改訂の要点と実務上のポイント
髙井章光

現在,中小企業の経営者の高齢化が進み,中小企業が経営を維持するためには,その後継者候補者に対して円滑に経営権を承継できるかが大きな課題となっている。これは15年ほど前から中小企業最大の問題といわれてきた,いわゆる「事業承継問題」であるが,数多くの中小企業が跡取り不在となっている状況を打開する策として,M&Aによって事業を第三者に承継させる方法を検討している。

労働法 国際

技能実習制度の発展的解消と「育成就労(仮称)」制度の創設
大嵜将史・伏見純子

技能実習制度を発展的に解消して創設される新制度「育成就労(仮称)」は,現行の特定技能の在留資格と連続性のある在留資格として設計されており,これにより未熟練労働者の日本での長期就労が可能となることから,今後の企業の外国人雇用に大きな影響を与えることになる。

連載
【新連載】
ライアン・ゴールドスティンの"勝てる"交渉術
第1回 「交渉力」や「勝利」の概念を多角的に捉えられるスキルセット
企業法務総合

ライアン・ゴールドスティン

2007年11月に東京オフィスを開設し17年が過ぎた。開設が決まった時は大好きな日本で仕事ができることがうれしくてたまらなかった。なぜなら弁護士として法廷に立つことも大事だが,クライアントと顔を合わせやすい環境をつくり,ともに戦略を練ることも,訴訟で「勝つ」ためには非常に重要だからである。
日本企業が契約交渉術を磨き,米国企業の法務部門と対等に渡り合えるよう,私は人生をかけて日本企業の代理を務めている。
本連載では,日本企業の代理を務める米国弁護士としての経験を通じて獲得した「交渉術」を提供する。多くの日本企業がグローバル社会で活躍するための「交渉力」醸成の一助となるよう,経験をもとに硬軟織り交ぜて展開していきたい。初回は日本企業と米国訴訟の実際をふまえて「交渉力」の必要性を訴えてみたい。

テクノロジー・AI コンプライアンス

【新連載】
不正調査実務とフォレンジック
第1回 平時からの情報管理の重要性
戸田謙太郎・安島健太

企業は,内部監査,内部通報などさまざまな端緒により不正を検知することとなる。不正を検知した企業は,社内調査の実施を試みることとなるが,近時では,企業の事業活動の多くがパソコンでの作業やメール・チャット等でのコミュニケーションによって行われているため,社内調査の実施にあたって,パソコン内の電子データの確認やメール・チャット等でのコミュニケーション内容の確認は,避けては通れない作業となってきていると言っても過言ではない。

企業法務総合

【新連載】
悔しさを糧に――学べば開ける☆
第1話 パスタのゆでかげん
木山泰嗣

弁護士としての実働から通算して20年を超えた税法学者が,税務の仕事に限らず,学生・受験生のころに経験したエピソードを挙げ,自分の思うようにいかない現状(=悔しさ)を糧に,どのように学び,どんな活路を開いてきたのかを語ります。

企業法務総合

LEGAL HEADLINES
森・濱田松本法律事務所編

2023年12月・2024年1月の法務ニュースを掲載。

■金融庁,四半期報告書廃止に伴う政令・内閣府令改正案を公表(金商法)
■経済産業省・総務省,「AI事業者ガイドライン案」を公表(IT)
■公取委,「実効的な独占禁止法コンプライアンスプログラムの整備・運用のためのガイド」を公表(独禁)
■金融審議会,「公開買付制度・大量保有報告制度等ワーキング・グループ」報告を公表(金商法)
■公取委,「独占禁止法上の『優越的地位の濫用』に係るコスト上昇分の価格転嫁円滑化の取組に関する特別調査の結果について」を公表(独禁)
■東証,「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示企業一覧表を公表(ガバナンス)
■政府,セキュリティ・クリアランス法案の提出に向けた最終とりまとめ案を公表(経済安保)
■文化庁,「AIと著作権に関する考え方について(素案)」を公表・パブコメ開始(知財)

ほか

消費者関連法

その広告大丈夫?
法務部が知っておくべき景表法の最新論点
最終回 環境に関する表示
渡辺大祐

消費者の環境問題に対する関心は高く,企業の環境問題への取組みも注目されるところである。今回は,実際に措置命令がなされた近年の事案もふまえながら,「環境に関する表示」を題材として取り扱い,それにまつわる論点を解説していくこととする。

民法・PL法等

最新判例アンテナ
第69回 マンション建築工事の請負人が自らマンションを分譲販売する方法によって請負代金債権を回収するという利益は法的保護に値するものではなく,注文者からマンションの敷地を譲り受けた第三者の行為は当該債権を違法に侵害する行為に当たらないとされた事例(最判令5.10.23裁判所ウェブサイト等)

三笘 裕・布山雄大

A社は,自己所有の土地(以下「本件敷地」という)にマンションを建築して分譲販売することとし,本件敷地にマンション(以下「本件マンション」という)を建築する旨の請負契約を,代金10億1,500万円(以下「本件代金」といい,本件代金に係る債権を「本件債権」という)でX社と締結した。また,上棟時のA社の代金の支払いがなかったため,X社は,本件敷地について交換価値の全部を把握する根抵当権の設定を受けた。

テクノロジー・AI

AIガバナンス相談室
第3回 AIガバナンス「AI利用事業者編」②
岡田 淳・羽深宏樹・飯野悠介・佐久間弘明

弁護士としての実働から通算して20年を超えた税法学者が,税務の仕事に限らず,学生・受験生のころに経験したエピソードを挙げ,自分の思うようにいかない現状(=悔しさ)を糧に,どのように学び,どんな活路を開いてきたのかを語ります。

国際 争訟・紛争解決

アメリカ民事訴訟実務の基礎と留意点
第9回 和解による紛争解決
奈良房永・笠継正勲

アメリカは訴訟社会といわれ,もめ事があるとすぐに訴える,訴えられるという展開に発展することは少なくない。しかし,訴訟に至る場合でも多くは最終的に和解により解決する。訴訟当事者は,常に和解戦略を念頭において訴えの初期段階から落としどころを模索し,和解によるメリット・デメリットと訴訟継続に要するコストや敗訴リスク等を慎重に分析したうえで,和解のチャンスを見計らうことが重要になる。

企業法務総合

いまでも覚えています あの人の「法務格言」
第7回 「君の考えを聞いているんじゃない」
日比野光敬

「君の考えを聞いているんじゃない」。管理職になる前の30代前半,企業法務の仕事がおもしろくなってきたときに,法務課長から言われた一言が,いまだに忘れられません。自分なりの考えをもって仕事に臨むことが大切だと思っていたこととのギャップがあったからなのかもしれません。

争訟・紛争解決

責任追及を見据えた従業員不正の対処法
第4回 営業秘密の侵害
木山二郎・蔦 大輔・兼松勇樹

営業秘密の持出し事案は,多くの企業において発生しており,巨額の損害賠償請求事件や大きく報道される刑事事件に発展するケースもしばしばみられる。そこで,本稿では,企業における営業秘密侵害への対応方法を解説する。

サステナビリティ・人権

サプライチェーンの危機管理対応
第4回 サプライチェーンにおける危機管理(ガバナンス)
福原あゆみ

本連載では,サプライチェーンで生じた不正事案等の影響が自社に波及する場合を念頭に置き,危機管理対応の要点について解説を行っている。第4回では,贈賄やセキュリティ等のガバナンスに関連するリスクが発現した場合の危機管理について検討する。

企業法務総合

Introduction 宇宙ビジネス
第7回 衛星ビジネスとルール
――私たちの生活を支える人工衛星(後編)
渡邉宙志・野村遥祐・堀口雅則

前回は,人工衛星を利用したビジネスのうち,主に観測衛星を利用したビジネスについて紹介した。今回は,近い将来に実用化の段階に入っていくと想定される,宇宙空間で提供される「軌道上サービス」について紹介する。

国際 サステナビリティ・人権

海外契約条項の「知らない世界」
第5回 サプライチェーンの人権課題に取り組むための契約条項
田中亜樹・ダニエル・アレン・辰野嘉則

本連載第4回ではESG投資の隆盛などを背景に,ESGのE(環境)に着目して,温室効果ガスの排出に関する契約条項を紹介した。第5回ではESGのS(社会)に着目して,ビジネスと人権に関する契約条項を取り上げたい。

企業法務総合

「周辺学」で差がつくM&A
第6回 財務・会計
─のれんとM&Aの失敗編─
山本晃久・山中啓一郎・齊藤 真

法務担当者が理解すべき財務・会計のトピックとして,今回は「のれんとM&Aの失敗」を取り扱う。のれんは主に他社を買収する際に発生する勘定科目であり,用語は知っているが正確に理解していないという方も多いのではないだろうか。そこで,今回はのれんの計上,償却,減損の会計処理について概要を整理したうえで,のれんの減損を含むM&Aの失敗の局面における取締役の責任について解説する。

特別収録
ビジネス実務法務検定試験
2級演習問題
企業法務総合