雑誌詳細

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2019年12月号

2019年10月21日発売号   1,700 円(税込)

特集1

基礎から応用、定着までを通貫する!
「英文契約書」読む力

特集2

GAFAをめぐる法規制

特集1
基礎から応用、定着までを通貫する!
「英文契約書」読む力
日本企業のグローバル化が進む今、海外企業との契約が当たり前になりつつあります。しかし、中小企業であれば法務部がない会社もあり、英文表記の契約書を自力で審査するにしても心許ない、というのが実情でしょうか。本特集は、英文契約書のスキルのなかでも基礎の基礎。審査に先立ち、「読む力」を身につけていただきます。英文契約の意義や基礎的な表現、契約類型別の読解テクニック、解いて学べる実践例題集からトラブル事例への対処法まで、一息で読み切ることをお勧めします。
企業法務総合

STEP1 前提として知りたい
英文契約の意義と成立要件
石原 坦

日本と英米との間には契約書に関する契約観の違いが存在する。英文契約の裁判における証拠としての意義に関しては、国際取引においては、契約当事者が言語・価値観・文化的背景を共有しておらず、英米法の国では判例法により当該事案に適用されるルールが導き出されるために過去の判例をリサーチするまでは結論が予想しにくく、英米法の裁判所においては契約書に記載された文言に重きを置く傾向にあるため、国際取引において英文契約を締結する場合には、その一言一句に細心の注意を払って、文言として疑義や矛盾がない明確なものになっているかを検証することが大事である。また、英米法が準拠法の英文契約の成立要件に関しては、約因(consideration)、詐欺防止法(StatuteofFrauds)、契約の作成方法といった点に違いが存在するため、海外の取引先との間で英文契約書を締結する場合には、これらの違いに留意して、後で紛争の原因とならないような英文契約書とする必要がある。

企業法務総合

STEP2 「論理」と「流れ」で理解する
英文契約書の基本構造と表現
木村耕太郎

英文契約書を読めるようになるためには、いくつかのポイントがある。 第1に、英文契約書に共通してみられる一般的な形式を知ることである。本稿では、簡略化した書式例を用いて、まずこの点を比較的詳細に説明する。第2に、契約の骨子となる権利・義務の表現や、論理的なつながりを理解するために必須となる接続表現などを知ることである。上記2点を基本として押さえつつ、英文契約に特有の条項や表現に少しずつ慣れていくことが重要である。

企業法務総合

STEP3 重要条項を押さえる!
契約類型別読解テクニック①売買契約
染野 修

本稿では、大型機械設備等につき代理店等を介さずに直接売買する非継続的国際取引を想定し、販売・調達部門とは異なる法的視点で売買契約書(英文)をチェックされる読者向けに契約書読解の心構えとチェックポイントを掻い摘んでご説明したい。

企業法務総合

STEP3 重要条項を押さえる!
契約類型別読解テクニック②販売店契約
橋本絢香

販売店契約とは、売主と販売店との間の売買基本契約に、売主による販売店へのサポートを盛り込んだ契約である。売買契約におけるポイントは別稿で論じられるため、本稿では、販売店契約における上記サポートを中心に論じることとしたい。

企業法務総合

STEP3 重要条項を押さえる!
契約類型別読解テクニック③ライセンス契約
山ノ口純子・伊勢島純平

契約書の確認を行う前に、交渉担当者が相手先と合意した条件や交渉中の論点をタームシートと呼ばれる簡単なフォームにあらかじめ整理しておくことが重要である。タームシートにあらかじめ整理しておくことで、合意内容が正確に契約書に反映されているか否かを容易に確認できる。また、複数案件でタームシートの確認を経験することで、ライセンス契約書を確認する際、特に注意して確認すべきポイントが見えてくるようになり、契約書確認の速度と正確性も上昇する。

企業法務総合

STEP3 重要条項を押さえる!
契約類型別読解テクニック④秘密保持契約
飯田浩隆

英文契約書を読みこなすには、単語の意味の理解に加えて、文章構造の把握が必要である。英文契約書の文は一文が長く構造がつかみにくい。そこで、主語、動詞、目的語を確認し、その他の語句はどの語句を修飾しているのかに注目するとよい。以下、秘密保持契約書によく用いられる英文を取り上げて若干の解説を行う。文中意見にわたる部分は、筆者の個人的見解である。

企業法務総合

Columnアメリカ式・イギリス式の差違に要注意!
準拠法により変わる英文契約の解釈

岩村浩幸

一口に英文契約書といっても、その準拠法がどの国のものかにより、内容の解釈が大きく変わってくる可能性がある。その違いは、時には当事者の権利や義務に大きな影響を与えるために、適切な準拠法の選択は契約書の交渉の際にまず最初に気を付けなければならないポイントとなる。

企業法務総合

STEP4 着眼力を養う!
契約書審査の実践例題集
仲谷栄一郎

英文契約書を正確に読んで問題点を発見するためには、「高度な英語力が必要ではないか」、「法律の知識、特に外国法の知識が必須ではないか」などと思うかもしれないが、実はもっと重要なものがある。英文契約書をめぐる紛争は、簡単な条文の解釈の違いによることが多い。そのような紛争を避けるためには、契約交渉の段階で問題点に気づき、紛争にならないような条文に修正しておくことである。そのために重要なのは、「問題に気づくこと」である。問題に気づくために必要なのは、柔軟さ、注意深さ、想像力、そして(ある種の)疑い深さであり、問題を発見できさえすれば、あとは「英作文」の領域である。

企業法務総合

STEP5 他社事例に学ぶ!
契約認識の齟齬から生じた実際のトラブル・対処法
小野洋一郎

本稿では、英文契約特有の問題や日本企業が締結した英文契約の解釈や認識の齟齬をめぐってトラブルになった事例を紹介し、英文契約を扱う際に企業が陥りやすい事項について、英文契約の条項ごとに事例解説の形で紹介する。

特集2
GAFAをめぐる法規制
競争法・独禁法 国際

新たな規制基準は必要か?
"GAFA規制"の競争法上の難点と目指すべき方向性
植村幸也

世界各国でデジタル・プラットフォーマーに対する規制が強化されている。プラットフォームでは間接ネットワーク効果がはたらくことから、独占が長期間持続する懸念もある。しかしながら、巨大な独占だからという理由だけで規制するのは誤りである。この点で、わが国の公正取引委員会が個人情報保護のために優越的地位の濫用を用いようとしているのは問題である。

国際 テクノロジー・AI

適切な規律へ向けた各国の立法・執行の動向
プラットフォーム事業者による個人情報の取得・利用
殿村桂司

GAFAによる大量の個人情報等の取得・活用に対する懸念を背景に、個人情報・プライバシー保護の強化が世界的な潮流となっている。本稿では、欧州におけるGDPR違反に基づく執行事例、米国におけるCCPAの制定、そして日本における独占禁止法の新しい指針(案)の公表や個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しなど、個人情報の取扱いに関連する法規制の国内外の動向について概観する。

民法・PL法等

消費者委員会専門調査会報告書をふまえ検討する
プラットフォームビジネスと消費者保護
松田知丈・嶋村直登

ショッピングモール、マッチングサイトなど、オンラインプラットフォームは、取引を便利にする。その一方で、取引である以上、「商品が届かない」などトラブルが起きることも避けられない。トラブルが生じた場合取引の当事者間でそのすべてを解決できるとはいえないが、日本にはプラットフォームが介在する取引そのものを対象とする特別法はない。近年、プラットフォーム事業者が取引の成立に果たしている役割等に照らした場合、現行の枠組みでその法的責任を捉えられるか、消費者保護の視点から論じられている。今年4月、消費者委員会の専門調査会において公表された「オンラインプラットフォームにおける取引の在り方に関する専門調査会報告書」(以下「報告書」という)の提言も含め、現時点での議論状況を確認したい。

国際 税務

各国の利害対立は克服できるか?
デジタル経済の進展に伴う国際課税の新しいあり方
北村導人

近年、インターネット等の情報通信技術の発展やビッグデータ、AI、IoT等の第4次産業革命と呼ばれる技術革新により企業を取り巻く経済環境は著しく変化しており、とりわけ高度にデジタル化されたビジネス(HighlyDigitalizedBusiness、以下「HDB」という)を事業とする多国籍企業(Google、Amazon、Facebook、Apple(GAFA)等)のマーケット・プレゼンスが増している。かかるデジタル経済の進展に伴い、近時、伝統的な国際課税の枠組みを大きく変更しようとする取組み(デジタル経済に適応した新たな国際課税のルール作り)が国際的な規模で議論されている。本稿では、かかるデジタル経済における課税に係る議論について、1問題の所在(I)、2新たな国際課税制度の枠組みに係る議論の状況(II)、3今後の課題とわが国企業に与える影響(III)について、論じることとする。

実務解説

会社法

転換社債の有利発行と取締役の任務懈怠責任
――東京高判令和元年7月17日の解説と分析
柴崎 暁

東京高裁は、令和元年7月17日、CBの募集価格・転換価額を、オプション評価モデルを用い、ブックビルディング方式で定めた場合は、「客観的資料に基づく一応合理的な算定方法」によるものとなり、「特段の事情」のない限り有利発行に当たらないとの判断を示した。

企業法務総合

合理性ある社内ポリシー策定とリスク分析が鍵
新規ビジネスを支える法務部の"ルールメイキング"
神内健次

革新的製品を世に出し、その"ルールメイキング"に関与してきた会社の法務部に所属する社内弁護士の視点から、会社が"ルールメイキング"に関与していく過程において、その土台作りとして、客観的合理性のある社内ポリシーを策定していくことの重要性と、法整備が追い付いていないなかで、会社の経営陣のビジネス判断がバランスよく行われるために法務部に行うことができるリスク分析の手法とその注意点について紹介する。

会社法

ESG情報の開示を通じた企業価値向上
――国際比較からみる日本の課題と強化策
土屋大輔

日本企業においてESG情報の開示を積極化する動きが盛んである。その一方で、機関投資家からは日本企業が開示するESG情報はCSRの視点が強すぎて正しい企業価値評価に結び付きにくいといった指摘がなされている。日本にはESGに関する情報開示の指針となる規則・ガイドラインが不在であることが、情報開示を行う企業とその利用者である投資家の負担感を高めている。本稿では、諸外国の動向をふまえ、日本においてあるべきESG情報の開示の方向性について考察する。

国際 テクノロジー・AI

GDPR対応済み企業も要注意
米国カリフォルニア州消費者プライバシー法への対応
中崎 尚

2020年1月に施行が迫ったCaCPAは、域外適用や親会社への適用ルールが設けられていることもあり、影響を受ける国内企業も少なくないにもかかわらず、その適用範囲については依然として明確になっていない。加えて、CaCPAの法文自体が、2019年10月まで改正手続きが進められていた。また、そのルールは、GDPRと似ているようで、適用範囲も対象も、権利行使に対して企業が求められる対応も異なっており、GDPRに対応済みであるからといって、決して安心できない状況にある。本稿では、CaCPAの立法の最新動向をまずは紹介したうえで、企業が求められるCaCPA対応のポイントを、GDPR・日本法との比較を交えて概説する。

労働法

待遇差の内容・理由説明義務の履行へ向けた
「同一労働同一賃金」時代の人事評価・賃金制度づくり
安中 繁

同一労働同一賃金にまつわるいわゆる非正規3法(パートタイム労働法、労働契約法、労働者派遣法)の改正では、非正規と正規社員間の不合理な待遇差の解消、非正規に対する待遇差の内容および理由の説明義務、法改正の実効性確保のためのADR規定等の整備、という、大きく3つの改正が行われ、企業は、自社内における正規・非正規間の待遇差が不合理なものではない理由を明らかにし、これを、非正規を含む社員に説明する必要に迫られている。待遇差の内容およびその理由の説明義務の履行(改正パート有期法14条、改正派遣法31条の2)にあたっては、非正規をも含む人事制度(評価制度・賃金制度を含む)の整備によることが最短ルートであると筆者は考える。そこで、本稿では、人事制度の整備についてLポジション®マップという手法を解説する。

知財

著名表示冒用行為の該当性と取締役の責任
"マリカー事件"控訴審中間判決の概要と実務への示唆
新間祐一郎・千葉健太郎

「マリカー」およびコスチューム等の標章を用いた公道カートのレンタル事業等が不正競争・著作権侵害になるかが争われたいわゆるマリカー事件の控訴審の中間判決が言い渡された(知財高判令元5.30裁判所ウェブ。以下「本判決」という)。本判決は、商品等表示の著名性や代表者の損害賠償責任を肯定するなど、被告側の責任をより重く認めた(なお損害額等は終局判決で判断)。本稿では、判旨および実務上の影響について解説する。

会社法

近時の裁判例から検討する
M&A・組織再編時の否認規定適用をめぐる最新論点
小山 浩

M&A・組織再編を行う際には、一般的に取引当事者の税負担を考慮してストラクチャーを決定する。しかし、税務当局から過度の租税回避であるとして、一般的な否認規定に基づき否認される可能性がある。令和元年6月27日、東京地裁において、一般的な否認規定に基づき否認された2つの事件に対する判決があった。かかる2つの判決を紹介するとともに、M&A・組織再編を行う際の税務上のポイントを整理する。

国際

ドイツにおける成功事例に学ぶ
メディアグループ企業のM&A・セグメント戦略(下)
德田貴仁

デジタルコンテンツ・サービスの拡大、サーチエンジン・ITプラットフォームの深化は全世界のメディアグループ企業に大きな変化を迫っている。ドイツのメディアグループ企業においては、欧州会社法に基づく持株会社体制により、機敏なM&A戦略を展開し、各事業セグメントの強化を行っている。本稿においては、ドイツにおけるM&Aの基本概念をふまえ直近の開示情報に基づき、ベルテルスマングループ(以下「BG」という)(前号)、アクセル・シュプリンガーグループ(以下「AG」という)(本号)のM&Aを活用したセグメント戦略を分析する。

LAWの論点
米国法との比較で検討する
日本法における「弁護士依頼人間通信の秘匿特権」
国際 争訟・紛争解決

中川丈久

「弁護士依頼者間通信の秘匿特権」(attorney-clientprivilege)という米国法で古くから認められている権利を、日本法においても認めることができるだろうか。これは、刑事捜査や行政調査、そして裁判の証拠調べ等において、「わたしたちには、弁護士への法的相談の内容を秘密扱いにしてもらう権利があるか」という問いである。「秘匿特権」という言葉は、日本の法令には存在せず、判例や学説もこの概念を使ってきたわけではない。にもかかわらず近年、この概念は幅広い法分野で話題に上っている。民事訴訟法(証言や文書提出)、刑事訴訟法(捜査や公判)、そして行政法(行政調査のほか、行政手続や行政不服審査、行政訴訟にも拡がり得る)の各分野から関心が示されているのである。本稿は、米国法の「秘匿特権」を説明したあと、日本での議論状況(なぜこれまで論じなかったのか、なぜ今になって論じているのか)を振り返り、最後に、上記の問いについての私の考えを述べる。

地平線
令和時代、民事裁判手続に求められる「攻めのIT化」
争訟・紛争解決

山本和彦

IT化は世界の潮流であり、司法もその例外ではない。世界的には、アメリカを先頭に、シンガポール、韓国、中国などで司法のIT化が進展し、遅れていたドイツ・フランスなど欧州諸国も近時その進展は著しい。他方、日本の民事訴訟のIT化は遅れている。ただ、日本も平成前半期は世界最先端に近い状況にあった。

トレンド・アイ
各国のフェイクニュース規制と日本への示唆
国際

湯淺墾道

近年、フェイクニュース対策がサイバーセキュリティの大きな課題となりつつある。近年のフェイクニュースには国家の情報機関や軍関係機関が背後にある一種の内政干渉と思われるものも少なくなく、政治的な目的のもとに虚偽の情報を(真実の情報と混ぜながら発信する場合もある)大量・意図的に流布し、民意や世論を誘導・操縦して、他国の選挙や民主主義に干渉しようとする場合もある。このようなフェイクニュースは、虚偽情報流布(disinformation)と呼ばれることもある。

連載

企業法務総合

LEGALHEADLINES
森・濱田松本法律事務所

2019年7月〜8月

会社法

最新判例アンテナ
第20回 金融商品取引法(平成23年法律49号による改正前のもの)166条1項5号による取引規制の対象とされるための要件(東京地判令元.5.30金判1572号14頁 )
三笘 裕・平野裕佳

争訟・紛争解決

知って、活用!国際仲裁・国際調停
第1回 国際紛争解決手続の種類と特徴
岡田春夫

仲裁(Arbitration)は、調停(Mediation)とともに、裁判外紛争解決手続(ADR: Alternative Dispute Resolution)の1つとされる。Alternative(代替手段)という表現からすると、紛争解決手続のメインは裁判であり、仲裁はあくまでもサブであるという印象を与える。しかし、ことに国際紛争の場合、仲裁は単なるAlternativeではない。仲裁こそが、Mainstream(主流)である。海外においては常識とされるこの事実が、案外、日本においては浸透していない。

企業法務総合

対話で学ぶ 法務対応の勘所
第2回 MOU のチェックポイント
大串嘉誉

大学卒業後、総合商社の法務部に配属された新人Aは、法律事務所での勤務経験がある社内弁護士Bが率いるチームに所属し、さまざまな案件を担当することになった。

ファイナンス

トークン・ビジネス法務入門
第1回 暗号資産等の各種トークンと国際動向
芝 章浩

ビットコインが2009年1月に登場してから10年以上が経過しており、この間、ブロックチェーン技術ないし分散台帳技術は大きく発展し、さまざまな 「コイン」ないし 「トークン」 が登場してきた。これらの民事法や金融規制などにおける法的取扱いについてはさまざまな議論が積み重ねられるとともに、本邦を含め、事業者規制や税制などにつき立法的な措置を講じる国・地域が増加している。 この連載では、このようなさまざまな「コイン」ないし「トークン」について、これらを用いたさまざまなビジネスを想定しながら、近時の法改正等もふまえ、本邦におけるその法的取扱いについて現状の概説を行うこととする。

企業法務総合

世界の法律実務・遊歩録
第2回 トマトの法的地位
山田香織

植物学的にはまぎれもなく果実です。 果実とは、根、茎、葉でなく、開花する植物の果肉を含む種子をもつ部分を指します。 この定義はしかし、カボチャ、ナス、キュウリも果実扱いになるため、日常的に使うには不便ではないでしょうか。

会社法 国際

米国ジョイントベンチャーの最新実務
第2回 米国ジョイントベンチャーの組成とStructureの選択②
竹内信紀・田中健太郎・松永耕明

本連載は、米国にて、米国の州法を準拠法として組成されたジョイントベンチャー(以下、「JV」または「米国JV」という)について、公開情報をもとに、米国JVの実例や件数、 その一般的なスキーム等を検討し(第1回、第2回および第3回)、英文のJV契約のサンプル条項およびその和訳を明示しながら、米国JVに係る検討事項および問題点を紐解く(第4回以降)連載である。本連載第2回目は、第1回目に引き続き、米国JVが組成される際に選択される法人の種類とその考慮要素について検討する。

企業法務総合

ロイヤーの使い方を押さえる!法務のための英単語辞典
第8回 (裁判所が)「認める」「認めない」等を 表す表現
豊島 真

「裁判所は申立てを認めた」「裁判所は以下のように事実認定をした」。これらは英語で何といえばよいだろうか。今回は、「裁判所 が○○する」という表現をみていこう。

企業法務総合

先輩・後輩で描く企業法務のグランドデザイン
第5回 法務部員の教育
須㟢將人・中山剛志・宮下和昌

法務部における人材育成も、組織の目的に沿ったものに変えていく必要がある。従来の教育目標は、1人で契約書のチェックをできる、営業からの相談を1人で対応できる、といったものであったが、これからは、企業法務として目指す方向であるリスク管理とそのためのガバナンス、コンプライアンスを担当することができる人材を育てることを目標に加えるべきである。 さらには、その延長として企業の経営や戦略に深く係わることのできる人材の育成も視野に入 れるべきである。

会社法

異業種M&Aの成功ポイント
最終回 買収後の留意点(子会社ガバナンス方針の変更)
菊池 武・森 詩絵里

第6回(前回)では、子会社のガバナンス方針の設計は買収前に検討を完了しておくべき事項であるということやその理由、子会社ガバナンスのカスタマイズパターンについて紹介させていただいた。子会社のガバナンス方針を決める際には、対象会社の力量と対象企業の事業に対する理解度をもとに、両社の関係性に合わせたガバナンス方針を定めることが重要となるといった内容である。

民法・PL法等

債権法改正企業対応の総点検
第7回 消滅時効に関する 債権法改正の留意点
伊奈達也

消滅時効とは、権利が行使されない状態が継続した場合に、その権利の消滅を認める制度である。時効制度としては、消滅時効のほかに取得時効があるが、改正民法で大きく制度内容が変わるのは消滅時効である。