SCOPE EYE
経済インフラをアウトソーシングするということ 永井知美
会計時評
政権交代と政治主導について 杉本徳栄
論壇
現代会計の「メタ理論」的省察 津守常弘
特集 会計倫理の現状と課題 
昨今の企業の会計不正事件の報道を機に,企業としての倫理感だけでなく会計倫理に関する研究やそのあり方が議論されるようになってきている。会計不正は,企業または会計専門職だけの問題なのか。会計倫理の事例分析や公認会計士の倫理規則の変遷,企業不正へのアナリストの対応を整理しながら,会計倫理を取り巻く現状とその課題について考察する。
倫理監査と統合報告のフレームワーク 浦崎直浩
公認会計士の職業倫理の規範の概要とその変遷 関根愛子
会計倫理とその事例分析 吉見 宏
ネガティブ情報とアナリストの対応──今こそアナリストの社会的機能発揮を 北川哲雄
特別企画 退職給付会計基準改正のポイント 
企業会計基準第26号
「退職給付に関する会計基準」および同適用指針について
前田 啓
IFRS適用も視野に入れた改正への対応 佐伯洋介
給付算定式基準の実務と論点 魚田重治
/徳田昭夫
解題深書
会計アノマリーの研究 音川和久
論文
IFRSと定率法――IFRS準拠の財務諸表によるケース分析 高田橋範充
IFRSがソフトウェア開発費の会計処理に及ぼす影響
――ソフトウェア開発費の理論的・実務的検討
櫻井通晴
三井住友銀行のプロジェクトファイナンスと投資経済計算
――収益性指数法の事例研究
太田 純
/上總康行
学会ルポ
日本経営分析学会第27回秋季大会 新井信一
日本会計教育研究学会第3回全国大会 飛田 努
IAAER2011(国際会計教育研究学会) 徳前元信

Column
海外会計Review
 保険契約プロジェクトの検討の動向について
                    あらた監査法人アカウンティング・サポート部


ASBJ便り

 
三角波
 企業会計審議会の中間的論点整理(案)
OUTSIDE
 上場廃止制度を見直す東証  小平龍四郎
経理・財務最前線
 IFRSとALMと資本市場  大塚年比古
IT初心者のための会計システム教室
 経理部長が知っておきたいシェアードサービスの高度化  奥井 潤
IFRSエッセンス講座
 IFRSとマッチング  秋葉賢一
              
相談室
〔会計実務〕 会社法「現代化」による資本金および資本準備金の会計問題 木下徳明
〔法人税務〕 電子取引のデータ保存 佐久間裕幸
〔会社法務〕 アスベストに関連する訴訟の動向 早川 学

編集室より
△特集では「会計倫理」を取り上げました。企業の会計不正事件がしばしば報道され,企業会計に関わる者としての倫理観のあり方が問われています。「会計倫理」の発展には,倫理違反のケースを分析し,そこにある問題を理解することが欠かせないようです。会計不正の抑止力となるには,会計専門職が倫理規則を遵守することだけではなく,企業の情報開示に対する取組みや,アナリストに求められる役割も考えていく必要があるといえます。どうぞご一読ください。
△さる5月,ASBJは改正退職給付会計基準等を公表しました。今回の改正ではIFRSとのコンバージェンスを踏まえ,未認識数理計算上の差異や退職給付債務の計算処理方法の見直しなどが行われております。とりわけ退職給付見込額の期間帰属方法についてはIFRSで規定されている給付算定式基準が加えられ,従来の期間定額基準から移行する場合,検討ポイントが多岐にわたり存在し,早期の検討と十分な準備期間が必要です。特別企画では改正基準の解説に加え,給付算定式基準を採用した場合の留意点について具体的計算例を用いて解説しました。
△企業のグローバル化やIT化は,ビジネスをより効率的にし,事業のスピードアップを可能にする一方で新たなリスクを生み出しています。故にそのリスクへの対応は,経営活動において重要な検討ポイントとなっています。次号特集では,ITや環境,アウトソーシング,災害といった分野別に内在するリスクの動向を概観しながら,拡大するビジネスリスクに対して,経営,内部監査,子会社管理といった企業実務の観点からどう管理していくべきか検討します。
◇企業会計2012年9月号のご案内

特集=ビジネスリスクの管理ポイント
       


◇企業の社会的責任とリスクマネジメント 堀江正之
◇ITリスクとマネジメント 中山清美
◇環境リスクとマネジメント 岡本光信
◇アウトソーシングのリスクとマネジメント 園田智昭
◇災害リスクとマネジメント 渡辺研司
◇企業実務からみたリスクマネジメントの勘所 吉野太郎・亀卦川元史・芹沢 清・黄 鶯・水越尚子