SCOPE EYE
「中小会計要領」の制定と今後の中小企業会計 品川芳宣
会計時評
会計研究の新しい潮流 太田康広
論壇
財務会計と財務報告の間 安藤英義
特集  会計基準の国際戦略――IASBアジェンダ・コンサルテーション2011への対応
現在、金融庁の企業会計審議会では、我が国におけるIFRS適用のあり方の議論が続いているが、その中でIASBは今後3年間のアジェンダの優先順位を決めるためにコンサルテーションを実施している。本特集では、我が国においてこのアジェンダ・コンサルテーションに対してどのような対応が図られたか、また、今後の会計基準の国際戦略をどのように考えるべきかを考察する。
IASBのアジェンダ・コンサルテーションへの対応とその意義 小賀坂 敦
IASBのアジェンダ協議2011と日本公認会計士協会の対応 関根愛子
IASBのアジェンダ――投資家の視点 金子誠一
IASBアジェンダ・コンサルテーションに対する経団連コメントと今後の展望について 池田 悟
国際対応を踏まえた今後のわが国会計制度の展望 佐藤行弘
特別企画  会社法中間試案の実務インパクト
「会社法制の見直しに関する中間試案」の経緯と概要 太子堂厚子
中間試案を踏まえて想定されるコーポレート・ガバナンスへの影響 河島勇太
中間試案を踏まえて想定されるM&A実務への影響 石井裕介
時事解説
実務対応報告第28号
「改正法人税法及び復興財源確保法に伴う税率変更等に係る
四半期財務諸表における税金費用の実務上の取扱い」について
前田 啓
経団連「会社法施行規則及び会社計算規則による
株式会社の各種書類のひな型」の改訂について
須永逸人
解題深書
財務会計研究の方法論 冨塚嘉一
新連載 リスクに強いサプライチェーン(第1回)
東日本大震災からの教訓――リスクに強いサプライチェーンとは 永山達也/山本晋五
学会ルポ
日本内部統制研究学会第4回年次大会 田中智徳
論文
企業集団内部統制の開示と監査役・監査人監査 藤原俊雄
NHSにおける患者別原価計算推進のための『診療原価計算基準』の登場
――保健省による新たな原価計算推進活動
荒井 耕

Column
海外会計Review
 米穀基準におけるのれん、無形資産の減損テストの簡素化の動向
                        あらた監査法人アカウンティング・サポート部
ASBJ便り
 
三角波
 会社法の見直しについて
OUTSIDE
 東電とソブリンリスク  小平龍四郎 
経理・財務最前線
 香港上場とIFRS  増井一朗
IT初心者のための会計システム教室
 経理部長が知っておきたいIRの充実と開示  高見陽一郎
IFRSエッセンス講座
 IFRSと原則主義  秋葉賢一
              
書評
『アメリカ品質原価計算研究の視座』 浦田隆広 著 大下丈平
『管理会計技法の展開と経営戦略論』 広原雄二 著 望月恒男
『イトーヨーカドーの経営力 強さの原理』 邊見敏江 著 藤野雅史
相談室
〔会計実務〕 過年度遡及基準について 石野研司
〔法人税務〕 250%定率法からの改正 佐久間裕幸
〔会社法務〕 会社法改正中間試案(資金調達関係)  藤津康彦

編集室より
△特集では、IASBアジェンダ・コンサルテーション2011への対応を取り上げました。すでにIASBに対して各界から意見が寄せられたところですが、IFRS設定に対して日本の意見を反映させていくために大事な1歩と言えます。また一方で、国内に目を向けると、それらの議論はIFRS導入をめぐる問題点の検討という側面もあります。今後、日本がIFRSとどう関わっていくか、見守っていきたいと思います。
△特別企画では、さる平成23年12月、法務省法制審議会から公表された「会社法の見直しに関する中間試案」について、主に経理・財務の実務で影響する部分について取り上げました。今回の試案は企業ガバナンスの強化や親子会社間の関係法制の整備、株主保護の充実などマネジメントに大きく影響する提案が盛り込まれています。ガバナンス強化は企業活動の重要なポイントです。この試案が今後どのように検討されていくのか、その動向が気になるところです。
△現在企業会計審議会で審議されている、わが国のIFRS導入議論において、連結先行か連単分離かという大きな争点があります。確定決算主義やコスト等の実務的な理由からの意見がある一方で比較可能性といった機能的な理由もあり、意見は二分しており、いまだ確固とした結論には至っていないのが現状です。そこで次号特集では「連単分離」議論に焦点をあて、先行している欧米での取扱い動向を概観しながら、連結と単体のあり方について検討します。
◇企業会計2012年5月号のご案内

特集=連単の会計問題を考える

◇連単分離の会計基準上の問題 小宮山 賢
◇連結概念・役割の変化 川本 淳
◇連結・単体会計の実務上の留意点 古内和明
◇連結範囲の差異比較 越智 淳
◇連単の取扱いにおける欧米の動向 フックス マーカス・太田実佐・コーマン ロアン