特 集  

 会社法制現代化を検証する

                    

企業組織再編

松井智予

 

 

 

Summary ◇

会社法制の現代化に関する要綱試案中、第四部の第七にあげられている組織再編関係の改正項目には、対価の柔軟化、一定要件を満たす組織再編の株主総会の省略および効力発生時点に関する整理の変更が掲げられている。試案にはなお帰趨が明確になっていない事項も見られるが、全体として、より機能的見地から株主・債権者の保護が図られる傾向にあるといえる。

 本稿は、適宜仮定を交えながら試案全体のスタンスや項目相互の関係について整理を行う。

 

Profile ◇

まつい・ともよ◇東京大学法学部卒業。同大学院法学政治学研究科助手を経て、2003年から東北大学大学院法学研究科助教授。2001年から1年間、法務省民事局参事官室勤務。主な専門分野は、会社法(資本制度、資金調達、株式制度、社債、商業登記、債権者保護制度等)、金融取引法(決済システム、金融サービス、倒産リスク等)、商取引法。