特 集  

会計上の対立する概念―8つの視点

                    

企業結合における取得と持分の結合

川本 淳

 

 

 

Summary ◇

企業結合会計における取得と持分の結合は、概念上は排他的な関係にはないと捉えるべきであろう。持分の結合によってバランスシートは評価替えされないという持分プーリング法を支える原則は、現金によらない資産取得は公正価値で記録するという、より具体的な原則が適用できないときに参照されるものと理解することができる。

 

Profile ◇

かわもと・じゅん◇1965年生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。現在、東京都立大学経済学部助教授、博士(経済学)。主な著作は、『連結会計基準論』(森山書店、2002年)、「IASB・FASBにおけるJVの取扱いと支配概念」(『企業会計』第55巻第8号、2003年)。