特 集  

会計上の対立する概念―8つの視点

                    

会計情報監査と不正摘発監査

八田進二

 

 

 

Summary ◇

一般に認められた会計基準(GAAP)との準拠性を中心とした適正表示の監査は,一般に「会計情報監査」と捉えられるが,昨今,会計士監査に対して強く求められているのは,企業の不正の防止・摘発に主眼をおいた「不正摘発監査」であるといわれている。本稿では,両者の監査の関係ないし実質について,会計士監査の発展史を中心に検討を加える。

 

Profile ◇

はった・しんじ◇青山学院大学経営学部教授。日本会計研究学会評議員・日本監査研究学会監事・国際会計研究学会監事。公認会計士試験第2次試験委員(平成13〜15年度)。最近の主要著書は,『監査論を学ぶ』『会計・監査・ガバナンスを考える』『新監査基準を学ぶ〈増補版〉』(以上,同文舘出版),『ゴーイング・コンサーン情報の開示と監査』(中央経済社)など。