特 集 

取引の複雑化と収益認識の論点

                    

米国における収益認識規準の具体的検討−ソフトウェアを例として

尹 志煌

 

 

Summary

収益認識に関する包括的な基準の欠如や個別収益認識基準間の差異、そして企業による収益過大計上実務等を背景として、IASB・FASBの収益認識に関する共同プロジェクトは現在、収益認識に関する包括的な基準を検討中である。

 本稿は、米国におけるソフトウェアの収益認識方法を題材として、複雑多岐にわたる収益認識基準の問題点について検討するとともに、資産負債アプローチおよび実現稼得利益アプローチによる収益認識基準の具体的適用問題について考察するものである。

 

Profile

ゆん・しこう■1995年明治大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得。同年鹿児島経済大学(現鹿児島国際大学)専任講師、1998年同大学助教授を経て、2001年より現職。著書に『会計基準の国際的調和化』(共著、白桃書房)、『連結会計の基礎知識』(共著、中央経済社)等がある。