特 集 

ゴーイング・コンサーンの開示状況と課題

                    

 

監査役によるゴーイング・コンサーン監査の実務

大橋博行

 

 

 

Summary

 ゴーイング・コンサ−ン問題は、経営者による財務諸表作成上の取扱いと会計監査人による監査上の取扱いの2つの側面があるが、監査役はその課せられた業務監査、会計監査の職責上このいずれにも関与しなければならない。

  監査役は、会社がゴーイング・コンサ−ンの前提に疑義を抱かせるような状態に陥ることを事前に回避するよう経営者を日常モニターしていくことが何よりも重要であるが、不幸にして疑義を抱かせる状況に至った場合には、会社の重大な損失を未然に防ぐべく、「適時・適正な情報開示が会社を救う」というスタンスに立脚して、業務監査・会計監査の両面から適切かつ厳正な対応が要求される。本稿では、その具体的な監査のポイントについて触れる。

 

Profile

おおはし・ひろゆき■1960年一橋大学商学部卒業。三井金属鉱業鰍ノ入社。1998年6月同社常勤監査役を退任。1999年より成蹊大学、駿河台大学非常勤講師。2000年6月よりカルチュア・コンビニエンス・クラブ鰹勤監査役に就任し現在に至る。公認会計士。