特 集 

ゴーイング・コンサーンの開示状況と課題

                    

 

ゴーイング・コンサーン開示への企業・監査規定の国際比較

−わが国の特徴と課題

町田祥弘

 

 

Summary

 わが国の監査基準等におけるゴーイング・コンサーン(GC)問題にかかる規定は,国際的に見ても,監査人に積極的な対応を求めるものとなっている。GC問題は,企業法制を含むガバナンスの問題や,会計基準と監査基準の関係等,さまざまな監査環境によって影響を受けるものであることから、国ごとに制度の相違が大きいものとなる傾向にある。わが国でGCにかかる監査実務が開始されたこの機に,改めて国際比較を通じてわが国のGC規定の特徴を識別するとともに,近い将来俎上に載ってくるであろう問題点を明らかにしたい。

 

Profile

まちだ・よしひろ■1991年早稲田大学商学部卒業。1993年早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了。1997年同博士後期課程満期退学。東京経済大学専任講師を経て,2000年より現職。博士(商学・早稲田大学)。最近の主要著・訳書として『ゴーイング・コンサーン情報の開示と監査』(共著,中央経済社,2001年),『コーポレート・ガバナンス』(共訳,白桃書房,2001年)などがある。