特 集 

ゴーイング・コンサーンの開示状況と課題

                    

 

財務リスクに対する投資家・アナリストの見方とIR活動

北川哲雄

 

 

 

Summary

 本稿では,投資家・アナリストの観点から平成15年3月期決算におけるゴーイング・コンサーン開示例を評価するとともに広く財務リスク開示のあり方、企業のIR活動にあたっての留意点にも触れてみる。

 資本市場においてメディアリッチネスな情報相互作用(IR〓アナリスト〓投資家)が行われるために、この問題においても各構成者間で洗練されたかつ緊張した関係が維持されなければならない。

 

Profile

きたがわ・てつお■1977年早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了。日本アイビーエム(株)経理部、(株)野村総合研究所投資調査部、モルガン銀行調査部勤務等を経て現職。博士(経済学・中央大学)。(社)日本証券アナリスト協会試験委員会委員。日本IR学会理事。最近の主な著書・論文に『アナリストのための企業分析と資本市場』(東洋経済新報社、2001年),「資本市場制御機構における重要性概念の再検討――公正開示規制の変更を中心として」(『企業研究』第2号、中央大学企業研究所、2003年)がある。