特　集　

会計情報とファイナンスの融合

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

ファイナンス論と会計利益

須田一幸

　

Summary

　利益情報の実際的有用性を分析した結果，�@株価収益率効果などを活用する，�Aオールソン・モデルに基づいて投資戦略をたてる，�B会計発生高と異常発生高のヘッジ・ポートフォリオを作成するという方法で，異常リターンを獲得できることがわかった。

　異常リターンが観察される理由を，現代ファイナンス論と行動ファイナンス論に依拠して考察する。

　

Profile

すだ・かずゆき■1984年一橋大学大学院商学研究科博士後期課程単位取得。京都産業大学，関西大学を経て，2001年神戸大学経済経営研究所の教授となり，現在に至る。博士（経営学，神戸大学）。1988年ロチェスター大学客員研究員，1997年アルバータ大学客員教授。現在，公認会計士第二次試験委員。著書に『財務会計の機能−理論と実証−』（白桃書房），『現代会計学入門』（共著，白桃書房），『財務会計入門』（共著，有斐閣）などがある。