特 集 

新たな「連結の範囲」を考える

                    

 

日本のJVの取扱いと課題

北方宏樹

 

 

Summary

日本では、建設業を中心に広くジョイント・ベンチャーの形態が利用されている。しかしながら、わが国の会計基準には、ジョイント・ベンチャーの会計処理についての具体的な規定は無く、実態に即した処理が求められている。実務上、統一された会計処理が行われているとはいえず、注記等での開示の不十分さを補う実務慣行も成熟しておらず、財務諸表の読者に対しては不親切な状況にあると考えられる。ジョイント・ベンチャーについての会計処理方針の積極的な開示が求められている。また、建設業会計固有の問題も積み残されているのが現状であり、積極的な対応が必要となっている。

 

 

Profile

きたがた・ひろき■中央大学商学部卒。1986年公認会計士2次試験合格後サンワ・等松青木監査法人(現監査法人トーマツ)入所、1990年公認会計士登録。2001年監査法人トーマツ社員(パートナー)就任。主として建設業のクライアントの監査を担当。日本公認会計士協会後進育成委員会委員、業種別監査委員会建設業研究部会幹事。主な著書に『経理規程ハンドブック』(共著、中央経済社)、『金融商品・外貨建取引会計処理実務ハンドブック』(共著、清文社)等がある。