特 集 

新たな「連結の範囲」を考える

                    

 

連結と税効果会計の論点

藤田敬司

 

 

Summary

費用としての税金の特殊性に注目し、米独との若干の比較を交えて、わが国税効果会計と開示の論点を整理する。

 子会社等の欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性について親会社は定期的にレビューする必要がある一方、子会社等の未分配利益に係る繰延税金負債の計上時期については、グループ経営戦略上の使途が定まっているかどうかが最大の論点である。

 

 

Profile

ふじた・たかし■立命館大学経営学部教授。三井物産(株),日本ユニシス(株)を経て,2002年4月より現職。元企業会計審議会臨時委員。主な著書に『連結財務諸表原則詳解』(共著、中央経済社,1998年),『連結経営会計入門』(税務経理協会,1999年),『クローズアップ現代会計』(共著,東京経済情報出版,2003年)などがある。