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商法・商法特例法改正法律案が国会に上程


  さる5月19日、「商法及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の一部を改正する法律案」(議員立法)が衆議院に提出された。

 本法律案の主な柱は、@定款授権に基づく取締役会決議による自己株式の取得制度の創設、A中間配当限度額の計算方法の見直し、である。

 @は、自己株式の機動的取得を可能にするため産業界から要請されていたものであり、Aは、法定準備金の取崩しにより自己株式を取得する場合、中間配当限度額の計算において剰余金がありながら配当できないというケースが生じたことに対し手当てするものである。

 なお、本法律案の概要は以下のとおり。

 1 定款授権に基づく取締役会決議による自己株式の取得(商法211条ノ3関係)

@ 定款をもって、取締役会決議による自己株式取得を行う旨を定めた場合においては、当該定款の定めに基づき、取締役会の決議により自己株式を取得することができるものとする。

A @の決議により取得することができる株式は、市場取引または証券取引法に規定する公開買付けの方法により取得するものとする。

B @の決議により取得することができる自己株式の取得価額の総額は、中間配当財源を限度とするものとする。

C @の決議により自己株式を取得した場合には、当該決議前に終結した最後の定時総会後に買い受けた自己株式の買受けを必要とした理由並びにその種類、数及び取得価額の総額を、当該決議による買受け後最初に招集された定時総会において報告しなければならないものとする。

2 中間配当限度額の計算方法の見直し(商法293条ノ5第3項関係)

@ 最終の決算期後、資本または法定準備金の減少を行った場合には、減少した資本または法定準備金に相当する額(当該減少手続において株主に払戻しをした額等を除く。)は中間配当限度額の計算に当たり、純資産額からの控除額には含めないものとする。

A 1の@の決議により取得するものとした自己株式の取得価額の総額を中間配当限度額から控除するものとする。

3 商法特例法、証券取引法等について所要の整備を行うものとする。