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  所得税法等の一部改正法、参議院本会議で可決・成立


 さる2月4日に閣議決定され,同日に国会に提出されていた国税関係の平成15年度の税制改正法案である「所得税法等の一部を改正する法律案」については,2月14日に衆議院本会議で財務大臣の趣旨説明と審議が行われ,財務金融委員会に付託された。2月21日には,衆議院財務金融委員会において提案理由の説明が聴取され,2月25日および26日に審議が行われた上,3月3日には賛成多数で可決された。翌3月4日には衆議院本会議で可決され,参議院に送付された。

 参議院においては,3月14日の参議院本会議において,財務大臣の趣旨説明と審議が行われ,財務金融委員会に付託された。参議院財政金融委員会では,3月20日に提案理由の説明が聴取され,3月25日および26日に審議が行われた後,賛成多数で可決された。3月28日には,参議院本会議で可決・成立した。

 今国会で成立した「所得税法等の一部を改正する法律」の概要は次のとおりとなっている。

 なお,本法律は,3月31日に関係政省令とともに公布されている。

 ■ わが国企業活動の活性化,産業競争力の強化

 ・ 研究開発減税(試験研究費の総額に係る特別税額控除制度の創設等)

 ・ 設備投資減税(IT投資促進税制の創設等)

  → 原則として15年1月1日に遡及して適用

 ■ 活力ある中小企業への支援

 ・ 研究開発減税の上乗せ,同族会社の留保金課税の一部停止,少額減価償却資産の特例制度の創設,交際費課税の緩和,エンジェル税制の拡充

  → 15年4月1日から実施(研究開発減税は15年1月1日に遡及して適用)

 ■ 「貯蓄から投資へ」の改革

 ・ 上場株式等の譲渡益,配当および公募株式投資信託の収益分配金に対し,5年間優遇税率を適用

 ・ 上場株式等の譲渡益,配当および公募株式投資信託の収益分配金について,源泉徴収のみで納税が完了する仕組み(申告不要制度)の導入

  → 原則として15年4月1日から源泉徴収税率の引下げ等を実施

 ■ 土地の有効利用の促進

 ・ 登録免許税の大幅な軽減

  → 15年4月1日から実施

 ■ 消費税に対する信頼性・透明性の向上

 ・ 中小特例措置(免税点制度,簡易課税制度)の大幅な縮減

 ・ 申告納付回数の増加

 ・ 総額表示方式の義務付け

  → 準備期間の確保のため,16年4月から実施