特 集 

四半期開示の実務と課題

                    

四半期開示の意義と課題

首藤 惠

 

 

Summary

四半期情報開示は、世界レベルでの金融システムのパラダイムシフトに対する資本市場の対応であると同時に、内外環境変化に対する企業の内部リスク管理とガバナンス強化の手段でもある。情報開示の適時性とグローバルな比較可能性を高めつつ投資家保護をどのように担保するかが、わが国経済が直面している喫緊の課題である。現行の法的・制度的枠組みの中で解決すべき問題と、中長期的課題を峻別して議論する必要がある。

 

Profile

すとう・めぐみ■中央大学経済学部教授(金融論)。1976年慶應義塾大学経済学研究科博士課程修了。1987年経済学博士。内閣府金融庁金融審議会委員、財務省関税・外国為替等審議会委員などを歴任。著書として『日本の資産運用』(編著、金融財政事情研究会、2000年)、『アメリカ型企業ガバナンス』(共編著、東京大学出版会、2002年)がある。