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所得税法等の一部を改正する法律案,2月4日国会提出


     

 平成15年度の国税改正の具体的内容については,1月17日に「平成15年度税制改正の要綱」が閣議決定されていたが,さる2月4日,「所得税法等の一部を改正する法律案」が閣議決定され,同日国会に提出された。

 この法律案は,現下の経済・財政状況等を踏まえつつ,持続的な経済社会の活性化を実現するための「あるべき税制」の構築に向け,法人税,相続税・贈与税,金融・証券税制,土地・住宅税制,所得税,消費税等につき所要の措置を講ずるものであり,その概要は次のとおりとなっている。

 ・ 法人税について,わが国産業の競争力強化のため,試験研究費の総額に係る特別税額控除制度および情報通信機器等に係る投資促進税制を創設するとともに,中小企業等を支援するため,中小企業技術基盤強化税制の拡充等を行う。

 ・ 相続税・贈与税について,次世代への資産移転の円滑化に資するための相続時精算課税制度を創設するほか,税率構造の見直し等を行う。

 ・ 金融・証券税制について,「貯蓄から投資へ」の改革に資するため,上場株式等の配当

  および譲渡所得等に対する税率を軽減する特例制度を創設するほか,上場株式等の配当所得に係る申告不要制度の拡充等を行う。

 ・ 土地・住宅税制について,土地の有効利用の促進に資するため,不動産に係る登録免許税の負担の軽減を図るほか,税率格差の是正など同税の全般的な見直し等を行う。

 ・ 所得税について,人的控除の簡素化等の観点から,配偶者控除に上乗せして適用される部分の配偶者特別控除を廃止する。

 ・ 消費税について,消費税に対する信頼性・透明性を向上させるため,事業者免税点制度および簡易課税制度の適用上限の引下げ等の改正を行うほか,消費税等の額を含めた価格表示の義務付けを行う。

 ・ 酒類間の税負担格差の縮小,たばこ税の税率の引上げ等の措置を講ずるほか,プログラム等準備金制度の廃止等既存の特別措置の整理合理化を行うとともに,住宅用家屋に係る所有権の保存登記等に対する登録免許税の特例,揮発油税および地方道路税の税率の特例等期限の到来する特別措置についてその適用期限を延長するなど所要の措置を講ずる。