特 集 

 

“内部統制”を徹底検証する

 

 

 

1部 内部統制の理論的側面の検証

内部統制概念の変遷と国際的動向

−米国とわが国の場合を中心に

八田進二 ■ 青山学院大学教授

 

Summary

 内部統制をめぐる議論は,古くて新しいと言われるほどに,多くの問題を孕んでいる。とりわけ,従来の議論の多くは,財務諸表監査を行う監査人の側の論理が中心にあったが,1992年公表の米国の『COSO報告書』は,まさに企業経営の側からの論理が示されたもので,今日の基本的な考えになっている。内部統制議論の変遷を辿るとともに,今後の法制化の動向について模索することとする。

 

Profile

はった・しんじ■青山学院大学経営学部教授。日本監査研究学会理事,国際会計研究学会監事。公認会計士試験第2次試験委員。最近の主要著・訳書等は『新監査基準を学ぶ』(同文舘)、『ゴーイング・コンサーン情報の開示と監査』(中央経済社),『事業報告革命』『21世紀の財務報告』『アメリカ会計プロフェッション』『不正な財務報告』『内部統制の統合的枠組み』(以上,白桃書房)他。