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新「中間監査基準」の解説

 

新「中間監査基準」の意義と課題

脇田良一

明治学院大学学長

 

Summary

 金融庁・企業会計審議会は、平成10年6月16日に公表された「中間監査基準の設定に関する意見書」について改訂のための審議を第二部会で続けていた。平成14年8月9日に「中間監査基準の改訂に関する意見書(公開草案)」を公表し、広く各界の意見を求めた。その後、寄せられた意見を参考にしつつ審議を引き続き進め、公開草案について必要な修正を行った。そして、平成14年12月6日に審議会総会に諮り、「中間監査基準の改訂に関する意見書」として公表した。中間監査基準の内容については、山浦教授が詳細に論じておられるので、本稿では中間監査基準の改訂の経緯等について述べる。

 

Profile

わきた・よしかず■1941年生まれ。1970年早稲田大学大学院商学研究科博士課程単位取得。商学博士(早大)。1970年立正大学経営学部専任講師、1980年明治学院大学経済学部教授。2000年明治学院大学学長。また、大蔵省・企業会計審議会幹事,日本監査研究学会理事,日本公認会計士協会・監査問題協議会委員,大蔵省・公認会計士2次試験委員,大蔵省(現金融庁)・企業会計審議会委員(第二部会長),内閣府・金融審議会委員等を歴任。主要著書として,『財務諸表監査論』(中央経済社,1977年),『財務諸表監査の構造と制度』(中央経済社,1993年),『監査基準の逐条解説』(中央経済社,1993年),『簿記入門』(日本経済新聞社,1990年)等がある。