Accounting News

11月理事会

 11月12日から14日まで香港で開催された。FASBとの協調を受けて米国基準を念頭に置いた検討項目が増えている。

 ■ 企業結合(第2フェーズ)

 ・結合により生じたのれんは持分の100%取得でない場合でも全額を認識する

 ・取得した企業の評価は公正価値による。公正価値の計算方法についてはガイドを設ける

 ・少数株主持分は資本の部の中に株主資本とは区分して表示する。少数株主持分については引き続き株式の段階的取得にともなうのれんの測定などの項目を検討していく

 ・IAS39が適用されない金融資産である偶発資産は結合時の公正価値で評価する

 ・FASBが作成した米国基準との比較表を検討する

 ■ コンバージェンス(収斂)

 ・IAS28はFAS144に収斂するため新たなIFRSとして改訂する

 ・年金資産計上の上限決定方法などを検討する

 ■ 既存基準の改善

 改善案に対して寄せられたコメントを検討し、以下の決定を行った。

 @ IAS1(財務諸表の表示)

 ・草案では削除されていた離脱規定の復活

 ・特別損益の表示を禁じる

 ・12カ月以内に支払期限の到来する長期負債は短期負債に区分する

 ・契約違反により時の利益を失った長期負債は短期に区分するが、貸し手が直ちに返済を猶予している場合は長期のままで可とする

 ・重要な会計基準決定や主要な見積りについての経営判断を開示する

 A IAS16(有形固定資産)

 ・交換により取得した固定資産の評価は公正価値による

 ・休廃止の場合も減価償却は続ける

 B IAS17(リース)

 ・土地と建物とからなる契約は両者を分ける

 ・リース契約締結にかかわる初期費用はリース期間に按分する

 C IAS27(連結財務諸表および子会社に対する投資の会計処理)

 ・少数株主持分は資本の部の中に株主資本とは区分して表示する

 D IAS40(投資不動産)

 ・一定条件を満たすオペレーティングリースをファイナンスリースとして扱うことも可能とする

 ■ 保険会計(第1フェーズ)

 保険契約についてIAS39適用のガイダンスを作成することとした。また、預金部分と保険部分とを分離することに暫定的に合意した。

 ■ 負債と資本

 ・FASB作成の比較表につき検討した。

 ■ 収益の認識

 米国のEITF(Emerging Issues Task Force)が検討中の特定なケースにおける収益認識基準と資産負債アプローチによる基準とを比較検討した。

 

公開草案第3号「企業結合」公表

 12月5日に公開草案第3号「企業結合」が関連するIAS36「資産の減損」およびIAS38「無形資産」の改訂案とあわせて公表された。草案に対するコメントの期限は2003年4月4日となっている。

 本草案はIAS22「企業結合」に代わる基準となる。主な内容は、

 ・パーチェス法の全面適用(持分プーリング法の使用禁止)

 ・取得によって生じたのれんは償却を行わない。毎年減損テストを行い、必要があれば減損損失を計上する。

 この草案は企業結合会計プロジェクトの第1フェーズにあたる。草案の内容は米国、カナダの現行基準に近いものであり、持分プーリング法の適用が好ましいケースの存在を指摘した日本の主張は最終的には入れられなかった。

 なお、企業結合については引き続き「フレッシュ・スタート法」の適用可能性などが第2フェーズとして検討されている。

 

保証に関する保証人の会計処理と開示要求

 FASBは,さる11月にFASB解釈第45号「保証に関する保証人の会計処理と開示要求,他の債務の間接保証を含む」を発行した。この解釈の当初認識および当初測定に関する規定は,2002年12月31日後に発行しまたは変更する保証について将来に向けて適用され,また,その開示要求は,2002年12月15日後に終了する中間期間または年次の財務諸表に関して発効する。

 この解釈は,保険・再保険会社が発行し,保険会社の会計原則により会計処理する保証,キャピタル・リースにより会計処理する賃借人の残存価額保証,納入業者のリベート,およびその保証の存在により保証人が売上の認識を妨げられる保証には適用しない。

 さらに,保証人の保証債務を公正価額により認識することを要求する規定は,製品補償,デリバティブとして会計処理する保証,企業結合にあたり偶発的対価を表現する保証,保証人の保証債務を負債ではなく資本に計上する保証,親子会社間または共通の支配下にある会社間の保証などには適用しないが,これらの保証も開示要求からは除外されない。

 保証人の保証に関する開示要求についてはFASB基準書第5号「偶発事象」に規定があるが,保証債務を負債として認識すべきかどうかについては異なった解釈が行われてきた。ある者は,保証債務により支払いをしなければならない可能性が大きくない限り,第5号は負債の計上を禁止していると解釈した。この解釈は,主としてその点を明確化するために発行された。

 保証の発行は,保証人に@保証人が特定の引き金になる事象または状態が発生したときに保証期間にわたり即座に保証債務を履行する(偶発的でない)債務を引き受け,またAその引き金になる事象または状態が発生した時には保証債務を履行する(偶発的な)債務を引き受けさせる。この@の債務は偶発的でない債務を保証人に課すため,保証による支払いの可能性が大きくなくとも,保証の発行時にその債務を公正価額により測定し,負債として計上しなければならない。その金額は,独立した対等の当事者間の取引では保証人が受け取り,または受け取ることのできる保証料相当額になる。保証が資産の売却など,複数の要素を含む取引の一部であるときは,保証の公正価額を見積もる。その場合には,独立した対等の当事者間の取引だと保証人が受取りを求めるであろう保証料を考慮すべきである。当初から保証履行の可能性が大きいときは,@とAのどちらか大きい方の金額を負債として認識する。

 この解釈は,保証人が保証により支払いをしなければならない見込みがごくわずかであっても,@保証期間,発生原因,および履行を求められる事象または状況を含む保証の性格,A保証により支払いを求められる最高限度額,B保証債務について計上した負債金額,ならびにC保証人が保証により支払った場合に回収できる遡求条項または担保の性格および範囲を開示するよう要求している。製品補償に関しては,上のAに代えて,保証人は製品補償に関する負債を決定するために使用した会計方針および方法を開示する。

 

企業会計審議会、改訂中間監査基準を公表

 企業会計審議会は、14年1月に全面改訂された監査基準をうけて、中間監査の一層の充実強化を図るため、8月に「中間監査基準の改訂に関する意見書(公開草案)」を公表し広く意見を求め審議を行い、公開草案の内容を一部修正して、12月6日「中間監査基準の改訂に関する意見書」として公表した。

 なお、基準本文は巻末の資料(p123以降)に掲載されている。

金融庁金融審議会公認会計士制度部会「公認会計士監査制度の充実・強化」を公表

 金融庁金融審議会公認会計士制度部会(部会長:片田哲也鰹ャ松製作所取締役相談役)は、2002年12月17日、報告書「公認会計士監査制度の充実・強化」を公表した。

 これは、近時の企業会計不正事件に対する米国政府の対応などの国際的な動向も踏まえ、グローバルな経済環境のもとにあるわが国経済社会において、資本市場に対する信認をいかに確保し、その機能を向上させるべきかという観点から、公認会計士監査制度のあり方について検討したものである。

 本報告書の骨子は以下のとおり。

 1 監査人の独立性の強化

 監査の適切性を確保するため、監査証明業務に従事する公認会計士と監査法人について、@被監査企業への非監査証明業務(コンサルティング業務など)の同時提供の禁止、A監査法人における関与社員による継続的監査の制限、B関与社員が被監査企業の幹部などに就任する場合の制限、等が盛り込まれている。

 2 公認会計士の資質の向上と公認会計士試験制度のあり方

 監査の質の確保および実効性の向上のため、日本公認会計士協会による品質管理レビューおよび継続的専門研修制度の充実を求めている。

 また、わが国の経済社会における公認会計士が担う役割に鑑み、一定の能力を有する公認会計士を確保するため、試験制度について@社会人に受験しやすい制度とすること、A一定の要件のもとで実務経験者など専門資格者と同等の能力があると認められる者について試験の一部免除、B専門職大学院などとの連携、などが示された。

 さらに、平成30年までに公認会計士総数を5万人に、合格者数を年間2,000人から3,000人にすることを目指すとしている。

 3 監査法人のあり方

 近時の監査法人の大規模化などの実情を考慮し、監査法人における関与社員の責任の所在を明確化し、非関与社員の無限責任について法制度上限定することとした。また監査法人の財務内容や監査報酬の公開などのディスクロージャーの強化や広告規制の廃止など監査法人をめぐる各種規制の見直しも打ち出されている。

 なお、金融庁は、2003年1月に召集される通常国会で本報告書に基づく公認会計士法の改正案を提出する予定。これらの改革は公認会計士業界のみならず日本の資本市場にも大きな影響を及ぼすものと思われ、今後の動向が注目される。

 

企業会計基準委員会、「ストック・オプション会計に係る論点整理」および実務対応報告公開草案第6号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)(案)」を公表

 企業会計基準委員会は、2002年12月19日に「ストック・オプション会計に係る論点の整理」および実務対応報告公開草案第6号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)(案)」を公表した。

 1 「ストック・オプション会計に係る論点の整理」について

 これは、平成13年11月商法改正により新株予約権制度が導入されたことにより、ストック・オプションの利用がより一層活発化すると見込まれることから、平成14年5月にストック・オプション等専門委員会が設置され、わが国の利用状況など実態調査を踏まえて、会計基準設定に向けた議論を整理し、今後の審議の参考とするために公表したものである。なお、論点整理の形での公表は企業会計基準委員会としては、初めて。

 今後、コメント募集(平成15年2月28日まで)、公聴会(平成15年2月21日を予定)などにより各論点について広く意見を求めた上で、会計基準を設定する考え(本論点の整理の本文等はp128以降の資料を参照のこと)。

 2 「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その2)(案)」について

 平成14年税制改正により、連結納税制度が創設されたが、これについては会計上税効果会計とのかかわりが実務上特に問題となっているところである。

 これに関して、企業会計基準委員会では、すでに、実務対応報告第4号「連結納税制度を適用する場合の中間財務諸表等における税効果会計に関する当面の取扱い」および実務対応報告第5号「連結納税制度を適用する場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」を公表しているが、本公開草案では、これらに触れられていない連結納税会社の個別財務諸表における繰延税金資産の回収可能性の判断や住民税及び事業税にかかる取扱い等について、Q&A方式で設例を交えその考え方を示している。

 本公開草案の本文は、HP(http://www.asb.or.jp/)を参照のこと。また、意見募集は平成15年1月24日(金)までとなっている。

 

東証、四半期業績の概況に関する開示等、適時開示制度の見直し案を発表

 東証は、12月17日、四半期業績の概況やコーポレート・ガバナンス関連情報に係る適時開示の新設を柱とする適時開示制度の見直し案を発表した。また、四半期財務情報の作成・開示に関する検討委員会を設置する計画であることも同時に発表した。

 今回の見直しは、@事業再編等により企業業績がダイナミックに変動する事例が多く見られるようになったことを踏まえ、投資者に合理的な投資判断のためには上場会社の経営成績や財政状態の変化等に係る情報が従来より高い頻度で定期的に開示されることが望まれることや、A商法改正による「委員会設置会社」制度の導入等のコーポレート・ガバナンスに関する制度整備の進展を受けて、より適切な形での開示を求めることが必要であるという認識に基づくものである。

 まず、四半期業績の概況については、上場会社は第1四半期および第3四半期経過後に経営成績の進捗および財政状態の変動状況に係る情報の開示を求めるというものである。具体的な内容は、@四半期に係る企業集団の売上高、A四半期中に生じた企業集団の損益や財政状態に重要な影響を及ぼす事象の有無とその概要、B前述の事項に関する定性的な記述、C公表されている業績予想について見直しを行った場合には新たに算出した予想数値とその前提条件等からなっている。なお、@の四半期売上高に代えて、受注実績や四半期末を経過後に新たに算出した中間または通期の予想売上高など、経営成績の進捗状況を判断する上で有用な情報の開示でも容認するとしている。実施予定時期は、平成15年4月1日以降開始する事業年度からであり、初年度は上場会社の体制整備等を考慮して、単体ベースでの売上高等に基づく開示も容認するという案になっている。

 次に、上場会社のコーポレート・ガバナンス関連情報については、事業年度に係る決算の内容を開示するときに、従来の「コーポレート・ガバナンスに関する取組み状況」の記載に代えて、「コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方と施策の実施状況」の開示を求めるというものである。具体的には、@自社のコーポレート・ガバナンスシステムの概要、A社外取締役または社外監査役の利害関係の状況、Bコーポレート・ガバナンスの充実に向けた最近1年間の取組みの記載を求めている。実施は、平成15年3月1日以降に終了する事業年度からを予定している。また、「上場会社コーポレート・ガバナンス委員会」での議論を踏まえ、適宜記載内容の充実を図っていくこととしている。

 そのほか、タイムリーディスクロージャーの適正性確保の観点から、適時開示資料の訂正を定めた適時開示規則の明確化、改善報告書等の運用基準の強化、適時開示規則違反件数の公表なども予定している。

 

平成15年度改正の内容固まる――与党税制改正大綱決定

 与党3党(自由民主党,公明党,保守党)の税制協議会では,来年度の税制改正についての審議を進めていたが,さる12月13日に「平成15年度税制改正大綱」を決定した。

 国税関係の主な改正の内容は,次のようになっている。

 ■ 「平成15年度税制改正大綱」のポイント

 1 研究開発減税・IT投資減税

 1 試験研究費の総額の一定割合(8〜10%)を税額控除する仕組みを増加試験研究税制との選択制で導入する(時限措置として一律2%上乗せ)。

 2 IT関連設備の取得等をした場合の50%特別償却または10%税額控除制度を導入する。

 3 研究開発用設備を取得した場合の50%特別償却制度を導入する。

 4 研究開発の成果である最先端技術を活用した実用化第一段階の設備に対し,支援措置を講ずる。

 2 中小企業税制

 1 研究開発税制において,中小企業に対し,一律12%(時限措置として15%)の税額控除率を適用する。

 2 自己資本比率が50%以下の中小企業について,留保金課税を停止する。

 3 中小企業の交際費課税を緩和し,定額控除額および損金不算入割合の見直しを行う。

 4 中小企業について,即時償却の対象となる少額減価償却資産の取得価額要件を30万円未満(現行10万円未満)に引き上げる。

 5 エンジェル税制について,現行の優遇措置に加え,ベンチャー企業(特定中小会社)への投資額の全額について,同一年分の株式譲渡益から特別控除できることとする。

 3 相続税・贈与税

 1 相続税・贈与税の一体化措置(相続時精算課税制度)を創設する(贈与時については,非課税枠2,500万円,非課税枠を超える部分について税率20%で課税)。

 2 相続時精算課税制度について,平成17年末までの時限措置として,住宅取得資金の贈与の場合は,非課税枠を1,000万円上乗せして3,500万円にするとともに,贈与者の年齢要件を撤廃する。

 3 相続税について,その最高税率70%を50%に引き上げるとともに,簡素化の観点も踏まえ,税率構造を見直し,税負担の軽減を図る。贈与税(暦年課税)については,相続税に準じて見直す。

 4 金融・証券税制

 1 上場株式等の配当,公募株式投資信託の収益分配金,上場株式等の譲渡益について,20%源泉徴収で納税が完了する仕組み(申告不要)を導入する。

 2 当面の「貯蓄から投資へ」のための優遇措置を創設する。

  ――上場株式等の配当等および譲渡益に対する課税について,今後5年間10%の優遇税率

 5 土地税制

 ・ 不動産にかかる登録免許税について,建物分を含め抜本的に見直す中で,税負担を軽減し,土地と建物にかかる実質的な税負担格差を解消するとともに,各種登記間の税率格差の是正を図る。

 6 環境対策・エネルギー税制

 ・ LPG およびLNG にかかる石油税の税率を引き上げるとともに,新たに石炭に課税する。また,電源開発促進税の税率を引き下げる。

 7 個人所得課税

 ・ 配偶者特別控除のうち,配偶者控除に上乗せして適用される部分(最高38万円)を廃止する。

 8 消費税

 1 免税点制度および簡易課税制度の適用上限を大幅に引き下げる。

 2 一定規模を超える事業者の申告納付回数を,年4回申告納付から毎月申告納付とする。

 3 消費税法において,事業者がその相手方である消費者に対して商品の販売,役務の提供等の取引を行うに際し,消費税の額を含めた総額の価格表示を義務付ける。

 9 酒税・たばこ税

 1 発泡酒,ワイン等の税率を見直し,ビール・発泡酒,清酒・ワイン,清酒・合成清酒,リキュール類・甘味果実酒等の間の税負担格差を4分の1縮小する。

 2 「地ビール」について,創業支援のため,3年間の特例措置を創設する。(酒税額を20%軽減)

 3 たばこ税の税率を引き上げる。

 10 NPO 税制

 ・ 認定NPO 法人の認定要件を緩和するとともに,認定NPO 法人についてみなし寄附金制度を導入する。

 11 その他

 1 学校法人に対して財産を寄附した場合の譲渡所得の特例制度について,その寄附財産を学校法人の「基本金」に組み入れた場合には承認要件を満たしたもの(自動承認)とする。

 2 道路特定財源の暫定税率の適用期限を延長する。

 3 従来の商品先物取引にかかる雑所得等の課税の特例について,適用対象に有価証券等先物取引を追加するとともに,申告分離課税の税率を20%(現行26%:国税+地方税)に引き下げるなどの措置を講ずる。

 4 勤務先から転勤命令などにより居住の用に供しなくなった後,その事由が解消し,再びその住宅に入居した場合には,一定の要件の下,その再入居年以後住宅ローン控除の再適用を受けることができる。

 5 租税条約の規定に基づき条約相手国から情報提供要請があった場合に,当該情報提供のために税務当局が質問検査を行うことができることとする。

 

日本監査役協会、日本の監査役制度の有効性をSEC に説明

 日本監査役協会の吉井会長は、米国企業改革法に関連して金融庁等とともに渡米し米国証券取引所(SEC)に対して日本の監査役制度の有効性を説明した。

 さる12月4日、金融庁と日本経団連の要請を受けて,吉井会長は、金融庁、日本経団連、日本公認会計士協会代表等とともに渡米し、SECに対して、米国企業改革法(SOA)の域外適用に関連して、日本の監査役制度が機能している実情を説明。

 同法301条によると、米国の証券市場への上場には外国企業でも米国型コーポレートガバナンス(監査委員会制度)の導入が前提とされている。今回の訪米は同法に関する詳細な適用規定を決定するSEC規則(規則案は近く公表見込み、施行は2003年4月を予定)から、外国企業の適用除外を要請することを目的としている。訪問先では、吉井会長が監査役制度を概説し、日本に於いて監査役制度が米国の監査委員会制と同等に機能していることを説明した。

日本監査役協会、「監査役監査体制と監査活動に関する調査結果報告書」を公表

 日本監査役協会は、「監査役監査体制と監査活動に関する調査結果報告書」を公表した。本報告書はその活動の姿が見えにくいと評されることの多い監査役活動の実像を、浮き彫りにすることを狙いとし、記述式アンケート回答結果から監査上の「ベストプラクティス事例」を発掘・集約し実像を描き出している。

 アンケート結果では、特に監査の重点として「内部統制、リスク管理、コンプライアンス関連」58%「経営全般・経営判断関連」30%が取り上げられており、適法性監査に留まらない具体的な監査役監査活動の実態が伺える。また一般的に公表されることがない「実際に監査役が機能した不祥事防止例」が具体的に記述されている。

日本監査役協会、「環境報告書に関するアンケート」集計結果を公表

 日本監査役協会「環境監査研究会」では「環境問題」に関する監査役の役割について研究を進めており、その一環として各社での環境問題に関する監査状況の調査、ならびに各社で作成されている「環境報告書」の分析・調査に必要なデータ収集を行うため、会員会社を対象にアンケート調査を実施し、その集計結果(回答総数2,163社)を公表した。

 アンケート調査の内容分析、「環境報告書」記載内容の分析等の結果については,今後研究会において研究・調査・分析の上研究報告書として提出予定。

(日本監査役協会URL http://www.kansa.or.jp/index2.html)