特 集

会計基準と概念フレームワーク

 

会計基準の動向と概念フレームワーク

斎籐静樹

東京大学教授

 

 

Summary

   会計基準のための概念フレームワークにとって、収益・費用か資産・負債か、歴史的原価か公正価値か、といった二項対立的な議論は意味がない。投資家にとってもっとも有用な会計情報は利益それも純利益であり、その情報価値を高めるうえで、それぞれの会計観や測定属性は、むしろ補完的な関係にあるものとして使い分けられる必要がある。

 

 

Profile

さいとう・しずき■東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。東京大学教授。経済学博士。企業会計基準委員会委員長のほか、企業会計審議会委員、金融審議会委員、法制審議会臨時委員などを兼務。主な著書は『会計測定の理論』『資産再評価の研究』『企業会計とディスクロージャー』など、編著は『企業会計における資産評価基準』『会計基準の基礎概念』など。