特 集

会計基準と概念フレームワーク

 

事業用資産の再評価

秋葉賢一

公認会計士

 

 

Summary

事業用資産の簿価を上下双方向へ評価替えする再評価は、わが国はもとより米国でも一般的ではないが、英国などでは事業用資産の再評価を許容し、その評価差額を各期の損益として認識している。特に、資産負債アプローチによる場合、「評価基準」を確認しない限り利益は定まらないため、このような考え方の根本的な相違は、今後、顕在化する可能性がある。本稿では、事業用資産の再評価(特に評価益)の背景や論点を検討する。

 

 

Profile

あきば・けんいち■1986年英和監査法人(現朝日監査法人)に入所し、1989年公認会計士登録、1998年朝日監査法人社員就任、2001年から企業会計基準委員会(ASB )専門研究員、現在に至る。これまでに、日本公認会計士協会国際委員会委員、同金融商品専門委員会委員、同特別目的会社専門委員会委員、企業会計審議会幹事、国土審議会土地政策分科会不動産鑑定評価部会委員、企業会計基準委員会減損会計専門委員会専門委員等を務めている。