ブランド価値評価■総特集

経済産業省「ブランド価値評価研究会報告書」の解説

 

 

【第1部】ブランド価値評価

期待キャッシュ・フロー・アプローチとブランド価値評価

桜井久勝

Sakurai Hisakatu

 

Summary

 経済産業省モデルは、伝統的アプローチにかえて、期待キャッシュ・フロー・アプローチを採用し、ブランドのもたらす超過利益の予測値に無リスク利子率を適用して算定した割引現在価値に基づくブランド価値評価を行う。

 本稿では二つのアプローチを概観したうえ、後者のアプローチの具体的な適用を詳述し、透明性の高い客観的な測定値が得られることを明らかにする。

 

Profile

さくらい・ひさかつ■1952年生まれ。1975年神戸大学を卒業し、同大学院へ進学。1977年公認会計士試験第3次試験に合格。1979年神戸大学助手。専任講師、助教授を経て、現在、神戸大学大学院経営学研究科教授、博士(経営学)。主要著書に、『会計利益情報の有用性』(千倉書房、1991年)、『財務会計講義(第4版)』(中央経済社、2002年)、『財務諸表分析』(中央経済社、1996年)などがある。