ブランド価値評価■総特集

経済産業省「ブランド価値評価研究会報告書」の解説

 

 

【第1部】ブランド価値評価

ブランド価値評価モデルのシュミュレーション結果

平井直樹

Hirai Naoki

 

Summary

ブランド価値評価研究会のモデルによる上場企業約3,000社のブランド価値は合計約70兆円(税引後40兆円)と試算され、総資産の14%、時価総額と株主資本の差額の約3割となった。事業規模や超過収益率とともに広告宣伝費率の格差が影響することから、ブランドはBtoC型業種で高収益の企業で高いなど、おおむねは一般の理解にも沿う傾向が見られた。今後は個別業種・企業の実態をより精査・反映しながらモデルの精緻化を進めることが期待されよう。

 

Profile

ひらい・なおき■1988年東北大学卒業。野村総合研究所入社後,企業調査部・アナリスト,企画部などを経て,現在,野村證券金融研究所・主任研究員。経営調査部にて企業財務の調査・研究および企業の財務戦略に関するアドバイスを担当。主な著書に『公社債市場の新展開』(共著,1996年,東洋経済新報社),『現代債券格付論』(共著,2000年,税務経理協会),『日本の資本市場』(共著,2002年,東洋経済新報社)がある。