特 集■

変貌する「資本の部」とその考え方

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企業組織再編成と「資本の部」

成道 秀雄

Narimichi Hideo

 

Summary

会社分割での資本の部の取扱いについては、日本公認会計士協会の「研究報告」によると、分割会社の株主総会で承認された分割計画書に沿った資本の部の取崩しによる会計処理を認めている。

 一方、企業組織再編税制においても、税務貸借対照表を設けるなどして継続的に税務上の取崩額と引継額を明確にし、租税回避行為の防止に努める必要はあるが、税務上の取崩額、引継額を決定するにおいては、利益積立金の留保額と引継額を按分するにおいてみられるような実際とかけ離れた形式基準によることなく、会計実務を尊重した税務処理が認められるべきであろう。

 

Profile

なりみち・ひでお■1981年成蹊大学大学院経営学研究科博士後期課程単位取得。専門は税務会計,租税法。現在,日本税務研究センター研究員,税務大学校講師,参議院財政金融委員会調査室客員調査員,税務会計研究学会幹事(事務局)。主要著書に『税務会計論(第2版)』(編著),『M&A の会計・税務・法務』(編著),『税務会計学辞典』(共編著),『新勘定科目全書』(共著,以上中央経済社),『企業の再編税務』(共著,第一法規)等多数。