特 集■

変貌する「資本の部」とその考え方

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新会計基準における「資本の部」の分類の特質

森川 八洲男

Morikawa Yasuo

 

Summary

本稿は、企業会計基準第1号等で提案されている資本の部の内容を検討の対象として取り上げ、これが、企業会計原則・一般原則三にいう取引源泉の視点からの「資本と利益の峻別」の要請に適合した分類としての内容をもち、情報開示機能の改善に資する点にその意義が認められるが、他面、この原則のもつもう1つの側面である資本維持の視点からは、商法改正との関連で、払込資本の維持という点で問題が含まれていることを示唆している。

 

Profile

もりかわ・やすお■1937年三重県生まれ。1964年明治大学大学院商学研究科博士課程単位取得。明治大学商学助手,専任講師,助教授を経て,1974年教授となり現在に至る。1977年商学博士。1997年より日本会計研究学会理事。公認会計士第2次試験委員,同第3次試験委員等を歴任。主要著書に『フランス会計発達史論』,『制度会計の理論』,『財務会計論』,『会計基準の国際的調和化』(編著)等がある。