TOPICS-2  日本公認会計士協会,金融商品・税効果会計等に関する重要資料を公表


金融商品会計に関する実務指針改正案
 去る平成13年2月14日、会計制度委員会報告第14号「金融商品会計に関する実務指針(中間報告)」について一部を改正する公開草案が公表された。
 主な改正項目は,以下のとおり。
 1 当座貸越契約及び貸出コミットメント(第19項、第139項及び第229 項)
 2 自由処分権を有する担保受入金融資産、有価証券の消費貸借契約、現先取引及び現金担保付債券貸借取引(第28項、第77項、第128 項、第129 項、第242 項、第277 項、第304 項及び第305 項並びに設例7)これらの改正は本実務指針の適用初年度から適用できるとするため、3月中の公表が目指されている。
 なお,本号別冊付録に全文を収録している。


「その他有価証券」の評価差額に対する税効果会計の適用における監査上の取扱い
 去る平成13年2月14日、監査委員会報告第70号
「その他有価証券」の評価差額に対する税効果会計の適用における監査上の取扱いについて公表された。
 本報告では、持合株式への時価会計導入で発生する際の会計処理を、保有株式の評価差益と差損を相殺した後の「評価差額」を基準に繰り延べる税金額を決めることを認めた。従来は、個別銘柄ごとに評価差益や評価損を計算、差益については実際に税金が還付されるかどうかの検証した上でなければ、繰延が認められなかった。
本報告は、平成13年4月1日以後開始する事業年度から適用されるが,平成13年4月1日前に開始する事業年度から本報告を適用することを妨げない,としている。
 なお,本号別冊付録に全文を収録している。


未払従業員賞与の財務諸表における表示科目について
 去る平成13年2月14日、監査第一委員会報告第34号「従業員賞与に関する監査上の取扱い」の平成13年2月14日付け廃止に伴い、未払従業員賞与の財務諸表における表示科目である「賞与引当金」や「未払費用」等の使用に際して、実務上、一部に混乱が生じないよう、これを「リサーチ・センター審理情報〔15〕未払従業員賞与の財務諸表における表示科目について」において整理し、公表された。詳細は以下のとおりである。
 1 支給額が確定している場合の未払従業員賞与
 1 賞与支給額が支給対象期間に対応して算定されている場合
  財務諸表の作成時において従業員への賞与支給額が確定しており、当該支給額が支給対象期間に対応して算定されている場合には、当期に帰属する額を「未払費用」として計上する。
 2 賞与支給額が支給対象期間以外の基準に基づいて算定されている場合
  財務諸表の作成時において従業員への賞与支給額が確定しているが、当該支給額が支給対象期間以外の臨時的な要因に基づいて算定されたもの(たとえば、成功報酬的賞与等)である場合には、その額を「未払金」として計上する。
 2 支給額が確定していない場合の未払従業員賞与
  財務諸表の作成時において従業員への賞与支給額が確定していない場合には、支給見込額のうち当期に帰属する額を「賞与引当金」として計上する。
 なお、適用は、旧委員会報告の廃止時期に鑑み、平成13年4月1日以後開始する事業年度から適用することが適当であるが、早期適用することも可能としている。
 
「従業員賞与に関する監査上の取扱い」廃止
 去る平成13年2月14日、監査第一委員会報告第34号「従業員賞与に関する監査上の取扱い」(以下、報告)を廃止することが発表された。
 同報告は、公表当時の実情を考慮に入れ、従業員賞与について、法人税法の規定に従って賞与引当金を計上している場合も監査上妥当なものとして取り扱うことができる旨を定めていたが、平成10年度の税制改正により、法人税法上、賞与引当金制度が廃止され、実情に適合しない点を含むこととなったため、同報告を廃止するにいたった。
 なお、平成13年4月1日以後最初に開始する事業年度の直前の事業年度まではこれを適用することを妨げないとしている。